合併のあと、社会保険の手続きはどうしたらよいのでしょうか?」

  会社のM&Aにあたって、労務手続きはどのように行えばよいのでしょうか。素朴なギモン M&Aの労務 シリーズの第1回は、社会保険の手続きです。

 社会保険とは、健康保険と厚生年金保険のことを指します。その手続きとしては、新規の資格取得手続きがあります。

 今回は、会社が合併した場合をみてみましょう。合併には①吸収合併(複数の会社が合併する際に1社が存続会社となり、他の会社はその存続会社に吸収され消滅するかたちになる)と、②新設合併合併に関わるすべての会社=当事会社がいったん解散して新会社をつくり、その新会社が、当事会社の権利や義務などの法律関係を引き継ぐかたちになる)があります。

 合併の場合、社会保険の手続きについては、大きな違いはありません(社会保険よりむしろ、その2で紹介する労働保険の手続きについて、届出先が変わるなどで影響してきます)。

M&Aで消滅する会社は全喪届を提出

 社会保険の手続きは、いたってシンプルに考えてよいでしょう。合併で消滅する会社では、被保険者資格の喪失手続きを行います。その際に、消滅する会社では被保険者全員(家族分も含む)の健康保険被保険証を集めないといけないなどの手間があります。必ずといっていいほど、「なくした」「遠方に住む子どもの分が、まだ届かない」などの不備がありますので、注意しましょう。

 あわせて消滅する会社が管轄の年金事務所や健康保険組合に対して「健康保険・厚生年金保険適用事業所全喪届」を提出します。事業所としては消滅するのですから、社会保険の適用事業所を廃止する届を提出するわけです。

 吸収合併新設合併の違いで説明すると、下記のようになります。

吸収合併の場合」

消滅する会社→資格喪失届、全喪届(事業所)
存続する会社→(消滅した会社から移る人の)資格取得届・被扶養者異動届等

新設合併の場合」

消滅する会社→資格喪失届、全喪届(事業所)
新設された会社→新規適用届(事業所)、資格取得届、被扶養者異動届等

図表1:健康保険・厚生年金保険適用事務所全喪届

健康保険・厚生年金保険適用事務所全喪届