日本の小規模企業には長期投資家にとって大きなチャンスがあるとして、2013年に日本株への投資を始めたRMB Capital Management。2017年に13件の大量保有報告書を提出したあと2018年は4件、2019年は2件と減少しており、活動を消極化させているように見える。 

独自の日本株戦略を持つというRMB Capital Managementは今後どのような動きにでるのだろうか。大量保有報告書の提出内容を分析してみると、戦略の一端が見えてくる。 

目立つインターネット関連や音楽関連への投資 

RMB Capital Managementは米国シカゴを拠点とする投資顧問会社で、設立は2005年4月。2010年から米国西部地区への進出に乗り出したほか、2017年にニューヨーク事務所を開設するなど事業エリアを拡大してきた。 

富裕層や機関投資家を対象に事業を展開しており、投資の前に時間をかけて調査を行い、企業のリスクや成長力などを独自に評価したうえで、長期間投資するスタイルを採っている。現在、従業員は175人で、総管理資産は94億ドル(約1兆円)に達する。 

日本株投資については、2013年に日本の証券会社や米国の投資会社で勤務経験のある日本人を日本株投資の統括者として招き、事業をスタートした。 

大量保有報告書の提出は2015年10月に、音楽や映像関連の事業を手がけるフェイス<4295>株の5.01%を新規保有した案件が第一号で、その後現在までに23件を提出している。 

23件中新規保有と買い増しが21件で、保有割合を引き下げたのが1件、株式を手放したのが1件という状況で、方針通りの長期保有を実現している。 

これまで株式を保有したのはフェイスのほかに、インターネット広告事業のインタースペース<2122>、ネット広告専業代理店のオプトホールディング<2389>、音楽配信などのスペースシャワーネットワーク<4838>、印刷機材の販売などのムサシ<7521>、アパレル大手の三陽商会<8011>、出版事業の昭文社<9475>(現在の保有割合はゼロ)、音楽や映像などを制作する日本コロムビア(フェイスが2017年に完全子会社化)の合計8社。 

業種別では情報・通信が半分の4社、サ-ビス業が2社、卸売業、繊維製品がそれぞれ1社ずつで、インターネット関連や音楽関連への投資が目立つ。保有割合の最も高いのはフェイスの11.74%。 

2019年6月に昭文社株7.04%を手放して以来7カ月ほど大量保有報告書の提出のないRMB Capital Managementの次の一手は、いつ、どのような形で打たれるだろうか。

【RMB Capital Managementの大量保有報告書の提出状況】

提出日対象会社保有割合増減
1 2019/06/14(金) 昭文社 0 -7.04%
2 2019/01/25(金) インタースペース 7.16%1.01%
3 2018/11/15(木) インタースペース 6.15% 1.1%
4 2018/09/12(水) 三陽商会 5.03% 0
5 2018/07/27(金) スペースシャワーネットワーク 7.1% 1.03%
6 2018/04/23(月) インタースペース 5.05% 0
7 2017/11/09(木) 昭文社 7.04% 1.02%
8 2017/10/20(金) スペースシャワーネットワーク 6.07% 1.01%
9 2017/08/17(木) フェイス 11.74% 5.72%
10 2017/08/07(月) スペースシャワーネットワーク 5.06% 0
11 2017/08/01(火) 日本コロムビア 10.38% 1.07%
12 2017/07/04(火) フェイス 6.02% 1.01%
13 2017/06/30(金) 日本コロムビア 9.31% 1.07%
14 2017/06/16(金) 日本コロムビア 8.24% 1.04%
15 2017/06/06(火) ムサシ 5.01% 0
16 2017/05/30(火) 日本コロムビア 7.2% 1.03%
17 2017/05/15(月) 日本コロムビア 6.17% 1.06%
18 2017/05/10(水) 昭文社 6.02% 1.01%
19 2017/04/28(金) オプトホールディング 3.92% -1.09%
20 2016/06/16(木) 日本コロムビア 5.11% 0
21 2015/11/26(木) オプトホールディング 5.01% 0
22 2015/11/16(月) 昭文社 5.01% 0
23 2015/10/23(金) フェイス 5.01% 0

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文:M&A Online編集部