英国の投資運営会社であるベイリー・ギフォード・アンド・カンパニーが、人材マッチングサイトの運営などを手がけるクラウドワークス<3900>の株式保有割合を徐々に下げている。
同社は2018年8月22日(大量報告書提出日)にクラウドワークス株を1.27%分買い増し保有割合を10.47%としていたが、その後2019年に2度売却し、2020年に入っても1月21日に1.01%を手放し、現在の保有割合は7.43%まで下がった。
ベイリー・ギフォードは多くの日本企業株を保有しており、2016年3月31日時点で日本の株式に投じた資金は2.2兆円に達する。ベイリー・ギフォードとはいったいどのような企業なのか。日本でどのような投資活動を行っているのだろうか。
【クラウドワークス株の保有割合の推移】
大量保有報告書提出日 | 保有割合 |
---|---|
2020/01/21(火) | 7.43% |
2019/10/23(水) | 8.44% |
2019/09/19(木) | 9.63% |
2018/08/22(水) | 10.47% |
2018/02/21(水) | 9.2% |
2017/06/21(水) | 8.11% |
2017/04/06(木) | 7% |
2015/12/04(金) | 5.76% |
ベイリー・ギフォードは英国エディンバラに本社を置く、独立系の投資運用会社。1908年から活動を行っており、110年以上の歴史を持つ。国債や通貨、新興市場債、株式などに投資してきた。
ベイリー・ギフォードは同社のホームページで「1世紀以上にわたる世界的な投資実績により、忍耐力が不可欠であることが分かったため、10年間を目指す長期的な投資を行う」としており、自らを「投機家ではなく長期投資家である」としている。
この背景としてベイリー・ギフォードが多数のパートナーによる共同経営者によって運営されており、短期的な利益を要求するような株主がいないため、長期的な投資活動ができるという。
日本では1960年代から投資を行っており、M&A Onlineの大量保有データベースで検索したところ2007年6月以降2020年1月28日までに319回報告書を提出しており、日本企業75社に投資を行ってきたことが分かった。
長期保有の方針通り、319件の取り引きのうち新規保有を含め保有割合を増やしたのは224件で、減らしたのは95件、このうちすべて手放したのは2件だけだった。
インベスコが日本の株式市場で行っている取引が2016年以降、縮小傾向にあることが大量保有報告書の届け出状況から見えてきた。