劇場版「鬼滅の刃」スポンサー28社の9割超が実施していたこと

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「大失敗」から「売り一色」のパナが大型買収へ

パナソニックは1990年の映画制作会社米MCA(現・ユニバーサルスタジオ)を61億ドル(約7800億円=当時)で買収したが、1995年に売却して映画事業から撤退した。国内M&Aの代表的な失敗事例として知られる。

事業再編が長期化し、M&Aでは長らく「売り手」の側だったが、2021年4月にサプライチェーン・ソフトウエアの米ブルーヨンダーを71億ドル(約7800億円)で買収。M&Aによる事業の「整理統合」から「拡大」に反転するか注目される。

セガにそでにされたバンダイとナムコが経営統合

バンダイはセガとの経営統合を模索していたが、1997年に社内の反対で頓挫。一方、ナムコもセガに合併を申し入れたが2003年にパチンコ・パチスロメーカーのサミーに奪われ、セガサミーホールディングスが誕生する。そこで残されたバンダイとナムコが2005年に経営統合して発足したのがバンダイナムコホールディングスだ。2019年には「ガンプラ」など機動戦士ガンダム製品の版権を持つ創通をTOBで子会社化して話題になった。

「親会社さがし」が続くスズキ

スズキは「親会社」探しを続けている。1981年に当時は世界最大の自動車会社だった米ゼネラル・モーターズ(GM)と資本提携したが、日本車の台頭などでその頃から体力が低下し始めた。2008年にはリーマン・ショックの直撃を受け、GMの業績が悪化して両社の資本関係は解消される。GMは翌2009年6月に連邦倒産法第11章の適用を申請して倒産。2013年12月まで国有化された。

スズキは2009年12月に、トヨタ自動車と世界首位を争う独フォルクスワーゲン(VW)との間で資本提携を結ぶが、VW側の高圧的な経営干渉を受けて2011年9月に提携解消を通達する。ところがVWがこれを拒否したため、国際仲裁裁判所で争うことに。結局、同裁判所の判決で2015年8月に資本関係が解消された。

現在、スズキはトヨタとの本格的な資本提携を模索している。傘下に同じ軽自動車メーカーのダイハツを抱えていることから、トヨタのスズキへの出資比率は4.8%に留まっている。

軽自動車が主力のスズキは「頼れる親会社」を探している(同社ホームページより)

日本企業の「超大型M&A」を主導するJT

日本たばこ産業(JT)は超大型M&Aの常連だ。1995年5月に「キャメル」や「ウィンストン」などで知られる米RJRナビスコの米国外でのたばこ事業を9400億円で買収。2007年4月には英ギャラハーを純有利子負債を含めて約94億ポンド(約2兆2500億円)で完全子会社化する。

2018年8月にロシア4位のたばこメーカーであるドンスコイ・タバックを約1900億円で買収した。国内企業のM&Aとしては大型案件だが、RJRナビスコやギャラハー買収を手がけたJTだけに小ぶりに見えるから不思議だ。

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