M&A後の100日間で成否が決まる

-経営コンサルタント会社の視点からみたM&Aには、どのような問題点がありますか?

祐川 M&Aの最終交渉が峠を越えると、一段落して緊張感が下がるケースは多いですね。よく言われていることですが、M&Aから3カ月先をゴールとする「100日計画」を直ちに立ち上げるべき。この期間に両社の融合プロセスを確実に決めなくてはダメ。ダラダラやっていると、うまくいきません。ロケットスタートを切る必要があります。

-具体的な「100日計画」の内容は?

祐川 財務や労務など、経営にかかわるあらゆる切り口があります。たとえば財務であれば会計基準をどうするのか、合併に伴うタックス(税金)プランニング、労務でいえば給与体系や評価制度をどうするのかなど。経営上のあらゆる相違や課題をリストアップし、ガンチャート(プロジェクト管理や生産管理などで用いられる表で、作業計画を視覚的に表現するために用いられる)に落とし込みます。Plan(計画)→ Do(実行)→ Check(評価)→ Act(改善)のPDCAサイクルに当てはめると、「P」(Plan)に当たる作業。これを100日以内に完成させなくてはいけない。

「M&A完了で決して手を緩めず、100日計画を立てること」と、祐川札幌支社長

-人事制度は厄介そうですね。

藤崎 いきなり最初から人事制度を一本化するのは難しいですね。先ずは労働時間と休日を合わせること。同じ仕事をしている職場で、勤務時間や休日がバラバラでは業務遂行上も問題なので、早急に決めるべき。一方、給与は一筋縄ではいかない。同じ仕事でも給与が違うこともよくあるし、両社間で人事交流が始まればいずれ問題になる。もちろん給与水準が高い方に合わせれば現場から不満は出ませんが、人件費原資の問題もあって簡単にはいかない。