難しい「財務面の統合」を乗り切る方法とは

眞船 財務面での統合も、問題になりがちですね。買った会社と買われた会社の会計基準を合わせるのは簡単ではない。特に上場企業と非上場企業の場合は、非上場企業側の引当金が十分でなかったり、いわゆる「ざる」な経理をやっていたりというケースもしばしば。親会社となる上場企業の会計基準に合わせるのは、子会社のこれまでの経理のやり方を完全に作り直すのと同じなので抵抗感も大きい。

-財務の一本化が遅れるのは痛いですね。どうすればよいのでしょう?

眞船 特に上場ー非上場間のM&Aだと、買収された子会社の財務担当者に四半期決算や監査といった新たな仕事をすることの必然性を説明しなくてはいけない。同時に経理作業のスピードを上げ、プロセスやシステムを改善していく必要もある。いわば子会社における「経理のレベルアップ」です。ましてや業種が違う会社であれば、勘定科目も違えばKPI(重要業績評価指標)の見方も違う。これは親会社が常に進捗状況をモニタリングすべき案件です。早い段階で親会社から経理責任者を派遣するのが望ましい。経理を通じてグループ内の組織ガバナンスを効かせるのは、親会社の責任なのですから。

「経理の確実な統合のためにも、親会社から責任者を派遣すべき」と、眞船チーフコンサルタント

-M&A実行前にやっておかなければならないことかもしれませんね。

眞船 財務面で最優先すべきなのは、組織再編税制への対応です。M&A実行前に株式や事業、不動産などの分割や譲受で、最も節税効果がある方法を見つけておく。こうしたコンサルティングはわが社が強いと自負しています。全国で200人の専門知識や資格を持つ社員が、顧客の必要に応じて対応するチームコンサルティングを提供できます。

聞き手・文:M&A Online編集部 糸永正行編集委員