【M&A戦略】明光義塾を軸に新規事業を模索

 明光ネットワークジャパンの沿革と主なM&Aは下表のとおりである。直近約10年間のM&Aを分析すると、本業である「明光義塾」の運営とFC支援を軸に、業容を拡大しようとする経営戦略を読み解くことができる。

明光ネットワークジャパンのM&A

年月概要
1984年9月 全学年を対象とした個別指導型学習塾の全国フランチャイズチェーン展開を目的として「サンライト株式会社」を東京都中野区野方四丁目9番2号に設立。「明光義塾」フランチャイズ及び直営教室による運営を開始
1985年5月 商号を「明光義塾株式会社」に変更
1986年12月 商号を「株式会社明光ネットワークジャパン」に変更
1990年2月 株式会社ヤクルト本社と資本提携し、同社の関連会社となる
1992年9月 株式の額面金額を変更するため、株式会社明光ネットワークジャパン(東京都練馬区所在、形式上の存続会社)と合併
1997年4月 日本証券業協会に株式を店頭登録
2000年12月 株式会社創企社と資本提携
2001年2月 株式会社岡村製作所と業務提携
2001年8月 株式会社ヤクルト本社との資本提携を解消
2001年9月 株式会社アイヴィット(100%出資子会社)を設立し、視力回復事業へ参入
2001年11月 株式会社フラメンゴジャパンを100%出資子会社化し、スポーツ教育関連事業へ参入
2001年12月 株式会社エフ・イー・シーの設立に参画(平成14年2月、100%出資子会社化)
2002年2月 「明光義塾」1,000教室達成
2003年8月 株式会社東京証券取引所市場第二部に上場。株式会社フラメンゴジャパン、株式会社アイヴィット及び株式会社エフ・イー・シーを清算
2004年3月 株式会社岡村製作所と業務提携を解消
2004年8月 株式会社東京証券取引所市場第一部に指定
2006年3月 「明光義塾」1,500教室達成
2008年8月 株式会社学習研究社(現 株式会社学研ホールディングス)と業務資本提携契約を締結
2009年9月 株式会社東京医進学院の全株式を取得し、連結子会社化
2010年2月 本店を東京都新宿区西新宿七丁目20番1号に移転
2010年8月 株式会社早稲田アカデミーと業務提携契約を締結
2010年9月 株式会社早稲田アカデミーと資本提携契約を締結
2010年9月 株式会社ユーデックと資本提携(現連結子会社)
2011年1月 Eduplex Education, Inc.(現NEXCUBE Corporation, Inc.)と資本提携(現関連会社)
2011年8月 「明光義塾」2,000教室達成
2012年6月 ライフサポート株式会社と資本提携
2012年7月 株式会社ユーデックを連結子会社化
2013年12月 ライフサポート株式会社と資本提携を解消
2014年9月 株式会社MAXISホールディングス(現株式会社MAXISエデュケーション)の全株式(自己株式を除く。)を取得し、連結子会社化
2014年10月 株式会社早稲田EDUの全株式(自己株式を除く。)を取得し、連結子会社化
2015年11月 台湾において個別指導塾事業を展開するための合弁会社「明光文教事業股份有限公司」を設立
2015年11月 株式会社創企社と資本提携を解消
2016年3月 国際人材開発株式会社の全株式を取得し、連結子会社化
2016年3月 株式会社古藤事務所の全株式を取得し、連結子会社化

M&AOnline編集部作成

本業の強化

 明光ネットワークジャパンは、同業との資本関係を持つことにより本業の事業強化を図っている。ノウハウの共有が見込める有力企業とは資本提携を結び、また最大規模の自社FCを子会社化した。

 平成20年8月には、学研ホールディングスと業務資本提携契約を締結し、学研が明光ネットワークジャパン株式4.24%を持ち、明光ネットワークジャパンが学研の2.31%の株式を持ち合うことを合意した。 対面教育事業における生徒の相互紹介や教材等の共同開発を行うなど両社のノウハウの共有を目的とした。

 平成22年9月には、ユーデックの株式を19.2%取得し、持分法適用関連会社化した。ユーデックは、関西圏における私立中学受験情報誌及び公立・私立高校受験情報誌「がくあん」を発行し、それら情報誌の販売数は関西圏においてトップシェアの実績を誇っていた。明光ネットワークジャパンはユーデックの関西におけるシェアを評価し、持分法適用関連会社化したことになる。その後、平成24年7月には株式を63.1%まで取得し、子会社化した。

 平成26年9月には、MAXISホールディングスを完全子会社化している。同社は、明光義塾87教室(平成26年8月時点)を運営する最大規模のフランチャイジーであった。その他、難関校受験向け個別指導塾「早稲田アカデミー個別進学館」も2校運営していた。

新規事業領域の模索

 また、M&Aにより事業領域も拡大させている。医系予備校、日本語学校、教材開発の会社をそれぞれ子会社化することにより、新事業に乗り出した。直近10年では約2年に1度の新規事業開発を目的としたM&Aが行われており、将来的な市場全体のパイの縮小に向けた対策として、時間を買うことができるM&Aを採用しているようだ。

 平成21年9月には、東京医進学院を完全子会社化した。同社は、医系大受験専門予備校であり、30年余にわたり、医系学部に数多くの合格者を送り出していた。明光ネットワークジャパンは、医系志望生徒の募集、医系受験のノウハウ共有を目的としていた。

 平成24年6月には、ライフサポートの株式を40.0%取得し、持分法適用関連会社化した。同社は、保育所の運営、自治体と連携した保育関連サービスの運営受託及び訪問保育等の保育事業と老人ホームの運営、訪問・通所介護及び居宅介護支援等の介護事業を行っていた。明光ネットワークジャパンが介護事業に進出しようとした目論見をうかがうことができる。しかしその後、平成25年12月には、同社と資本業務提携を解消したようだ。

 平成26年10月には、早稲田EDUを完全子会社化した。同社は、東京都新宿区で日本語学校を1校舎運営していた。明光ネットワークジャパンは今後の海外展開との連携及び教育のグローバル化の対応を図った。

 平成28年3月には、国際人材開発を完全子会社化した。同社は日本語学校であり、明光ネットワークジャパンは、「早稲田EDU日本語学校」との各種ノウハウの共有、スケールメリットの追求等のシナジー効果を見込んでいる。

 同年3月には、古藤事務所を完全子会社化した。同社は、高校生向けの教材の開発や教育関連出版物の企画及び編集を行っていた。明光ネットワークジャパンは、大学入試問題に関して古藤事務所が有している各種のノウハウを活用することにより、自社グループ全体として教材等の品質レベルの向上を見込んだ。