金融機関や外資系コンサルタント、全国展開する小売りチェーンの再生担当取締役を経て、現在は幅広い業界企業に対する経営者派遣での経営支援や事業戦略立案、R&D戦略等による企業価値向上支援などを手掛けるジェミニ ストラテジー グループのCEO(最高経営責任者)を務める山田政弘氏。そんな山田氏が、豊富な知識と“現場での経験”を踏まえ、実践的な知見やノウハウについてわかりやすく解説する。(第1回はこちら

ポイントは「蓋然性」=確からしさの証明

では、事業計画の中身に移ろう。信用の得られる事業計画のポイントを一言で言えば「蓋然性」。つまり”確からしさ”。「売上はいくらになります」という説明だけでは、その数値が本当に達成できるのか、という蓋然性を測ることができない。これでは「鉛筆をなめて、とりあえず数値を書いてみただけ」(低い精度の計画)と捉えられても致し方ない。

例として、SaaS(Software as a Service:必要な機能を必要な分だけサービスとして利用できるようにしたソフトウエア)型の業務用ソフトウエア事業の事業計画を題材に、具体的にイメージしてみよう。期間を「月別」に細かく区切った上で、売上の内訳として「導入社数」「1社あたり売上単価」という項目まで表示したとする。

すると、1社あたり売上単価を見れば、その単価が同様のソフトウエアと比較した時に現実的な単価水準かが分かる。さらに言えば、ターゲットとなる顧客企業(の規模)における予算感において、費用対効果の観点でその価格感が妥当かどうか、その上で社内での稟議が通る水準なのかどうかも検証することができる。

また、導入社数を見れば、月々の導入社数のペースが現実的かどうかが分かるし、例えば、急速に導入社数のペースが上がるタイミングがあったとして、それに対して「営業マンを拡充する」「代理店網を築く」など、必要な施策やコストが想定されているか、をチェックすれば、その計画達成の根拠を作れているかどうかが分かる。

コストにおいても、単に「人件費」といった結果数値だけの項目ではなく、その内訳として「取締役(役員)人件費」、さらには「取締役1人当たり給与(年収)」×「人数」。営業マンにしても同様で、年収がいくらの営業マンをいつの時点で何人雇っているのか、という点について細かく内訳を作成しておくことで、第三者の視点でも施策と結果(業績数値)がどう関連しているか、ということを理解することができる。