「世界市場の獲得も視野に入れ、大企業との連携を進めながら海洋・海中ビジネスに大きな革新をもたらされることを期待しています」

2年後の2021年夏ごろまでに海中バルーンのサービス提供を目指すオーシャンスパイラル(東京都港区)の記者会見に、世耕弘成経済産業大臣がこんなメッセージを寄せた。

手軽に海中体験ができる

オーシャンスパイラルは会見で母船と海中バルーンの30分の1の模型を公開するとともに、協力企業に新たに旅行会社のJTB(東京都品川区)やANAセールス(東京都中央区)などの大企業が加わったことを発表。

合わせてこれら2社にオーシャンスパイラルのほか大和ハウス工業の子会社であるデザインアーク(大阪市北区)や、デザインアークが2018年4月に子会社化したモノコンセプションプロダクツ(大阪市中央区)、海中バルーンを製造する米国の潜水艇メーカーTriton Submarinesなど7社による事業推進組織・チームオーシャンが本格稼働したことも披露した。

こうした大企業との連携によって事業化の現実味が高まったことから、スタートアップ企業の会見としては異例の世耕大臣のメッセージにつながったものと思われる。

海中バルーンは内径2.5メートルのアクリル製の透明の球体で、母船から吊り下げることで最大100メートルの海中に到達することができる。球体内部を1気圧に保つことで、通常の服装のまま年齢制限などもなしに手軽に海中を楽しむことができる。

日本ではスタートアップ企業への投資が北米の10分の1以下と言われており、評価額が10億ドル(約1100億円)を超えるユニコーンと言われる企業の誕生が極めて少ない。このため、経済産業省は2018年にJ-Startupプログラムを立ち上げ、スタートアップ企業の育成支援に乗り出した。こうした流れを受け、民間企業でも投資や支援に力を入れる企業が増え始めてきた。