アプリ開発、IoT事業などを行うand factoryが9月6日にマザーズに新規上場します。想定価格は2,470円。公開株数の合計が740,000株ですので、吸収金額はおよそ18億円。15%のオバーアロットメントを含めると21億円規模。2017年8月期の売上高は6億8900万円で、純利益は1億7400万円をたたき出しました。驚異の高収益企業です。しかも設立は2014年。投資家などからの資金調達は、シード・アーリーステージでイグニス<3689>から行っただけ。あちこち突っつかれて成長したというよりは、自力でサービスを伸ばし、早期の上場へとたどり着いたように見えます。市場からの期待は高く、早くもざわつき始めているようです。この記事では以下の情報が得られます。

  • ①and factoryの稼ぐ仕組み
  • ②上場後の成長性のカギを握るIoT事業のこと
未来の家プロジェクト
スマートフォンがすべての中心に

上場で得た8.6億円でマンガアプリの販売促進を強化

and factoryは大きく3つの事業領域に分かれています。

  • ①アプリ
  • ②IoT
  • ③インターネット広告

柱はアプリ開発です。スマートフォンゲーム向けの攻略掲示板「最強シリーズ」、そしてマンガアプリが主力となっています。まずは業績から見てみましょう。

売上高経常利益(損失)
純利益(損失)
2017年8月期6億8900万円2億2300万円1億7400万円
2016年8月期2億4500万円1200万円△600万円
2015年8月期1億1200万円△4200万円△4300万円

1期目で1億円以上の売上を出し、その後の推移も安定しています。しかも利益率が25%超と極めて高いです。今回の上場によって同社が得られる見込み金額は、およそ9億6700万円。銀行に返済する借入金以外の8億6900万円を、マンガアプリの広告宣伝費やシステムエンジニア・営業の人件費として使う予定です。ゲーム攻略の掲示板アプリよりも、今後の成長エンジンとしてマンガアプリを選んでいます。

セグメント別ではこのようになっています。

売上高セグメント利益(損失)
アプリ6億400万円3億9400万円
IoT6200万円△3000万円
インターネット広告2200万円△1200万円

公式ホームページを見るとバリバリのIoT企業という印象を受けますが、そちらの事業ではほとんど売上はなく、事業としては赤字です。後述する通り、長期的な視点で事業が温まるのを待っているように見えます。

マンガUP!
マンガアプリが主軸に


広告代理業からアプリ開発、そしてIoTへと事業領域を拡大

and factoryはもともと株式会社famousの100%子会社として設立されました。株式会社famousは広告代理業を営む会社です。企業活動の中でアプリに商機を見出し、and factoryを設立しました。創業者の小原崇幹氏は株式会社famousの立ち上げメンバーでもあります。会社を成長させるのが上手い背景には、経営経験が豊富なことが挙げられます。これも後ほど説明する通り、and factoryはすでに投資活動を行っています。その目的は、エグジットによるキャピタルゲインを狙うだけでなく、共同開発などでともに取り組みができる会社を見つけること。上場前からそのような取り組みを行う、小原氏の動きの速さも注目すべきポイント。

会社の変遷はこんな感じです。

2014年6月設立
2014年10月イグニスからアプリ「どこでもミラー」を取得
ゲーム攻略アプリ「最強シリーズ」をリリース
2015年4月イグニスと資本提携
2015年10月新規事業開発を目的としたC-studio株式会社を設立(2017年8月にand factoryが吸収合併
2016年8月スマートホステル「&AND HOSTEL」を福岡に開業
2017年1月スクウェア・エニックスとの協業で「マンガUP!」をリリース
2017年4月「&AND HOSTEL」を浅草にオープン
2017年5月「&AND HOSTEL」を上野にオープン
2017年6月ドコモとの協業で「未来の家プロジェクト」の運営を開始
2017年8月白泉社との協業で「マンガPark」をリリース
2018年2月「&AND HOSTEL」を秋葉原にオープン
2018年3月「&AND HOSTEL」を神田にオープン
2018年7月集英社とマンガアプリ事業で提携