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“大人起業家”が考える「成功するスタートアップ」 プロトスター株式会社・栗島祐介CCO
スタートアップをめぐる世界では、新しいイノベーションが次々に起きている。栗島氏がCCOを務めるプロトスターもその1つ。「スタートアップと呼ばれる起業家・挑戦者にとって必要となるような要素をぜんぶ提供する、そのインフラをつくっている会社」だ。
テレビCM「早く言ってよ~」でおなじみのクラウド型名刺管理のSansan。ベンチャーキャピタルなどから100億円を以上の資金を調達している、スタートアップ界の巨人です。直近の売上高は73億1800万円、時価総額は505億円(日経新聞より)。調達金額と創業年数を考えると、そろそろ上場すると考えられます。業績の推移と事業内容、競合との比較をして同社がどんな状況に置かれているのか調べました。
まずはSansanの事業内容から。現在は大きく2つあります。
1つ目の「Sansan」はテレビCMで知名度を獲得しています。企業の名刺を一括管理し、共有するサービスです。2017年の段階で導入企業は6,000社、業界シェアの81%を占め、5年連続業界No.1(同社調べ)を獲得しています。
市場規模は100億円にまで膨らんでおり、顧客管理やマーケティングなどへの拡大が見込まれています。名刺管理で括ってしまうとそれまでですが、ビジネスプラットフォーム(ビジネスの基礎インフラ)と捉えると、まだまだ拡大が見込めるということです。数多くのファンドからカネが流れ込んでいるのは、このあたりへの期待値が大きいためです。
その期待に後押しされ、同社が打ち出した2つ目のサービスが名刺アプリ「Eight」です。一見「PCだけじゃなくて、スマートフォンでも管理できるのかー」くらいに思ってしまいます。が、実際はそんなに”軽い”サービスではありません。
「Eight」は名刺を受け取った相手に対して、メッセージの交換などが行えます。ビジネスだけのやり取りに留まらない、SNSとしての意味合いが強いです。すでに180万人以上が利用し、3億枚の名刺が取り込まれています(同社発表)。
「Eight」はビジネスプラットフォームとしての性格を強めました。ゴールドマン・サックスなどから数十億円の大型資金調達を次々と成功させている背景はここにあります。
過去5年の主な資金調達はこのようになっています。
金額 | 主な調達元 | |
2013年4月 | 5億円 | ニッセイ・キャピタル |
2014年5月 | 14.6億円 | DCM |
2016年1月 | 20億円 | DCM |
2017年8月 | 42億円 | DCM |
2017年11月 | 20億円 | ゴールドマン・サックス |
2017年11月 | 数十億円 | 三井住友信託銀行 (ジャパン・コインベスト) |
気になるのは、期待値も調達額も時価総額も大きいのに、上場する様子がないこと。2017年11月に発表した日経新聞の企業価値ランキングによると、時価総額は505億円。当時の国内非上場スタートアップ企業では、深層学習のプリファード・ネットワークの2,326億円、メルカリの1,479億円に次いで、3番目となっています。収益化の難しいAIのプリファードが上場しにくいのはわかりますが、Sansanは順調に業績を伸ばしていそうに見えます。実際はどうなのか見てみましょう。
スタートアップをめぐる世界では、新しいイノベーションが次々に起きている。栗島氏がCCOを務めるプロトスターもその1つ。「スタートアップと呼ばれる起業家・挑戦者にとって必要となるような要素をぜんぶ提供する、そのインフラをつくっている会社」だ。