Strobo(ストロボ、東京・文京区)の代表である業天亮人氏は、Stroboが2社目の起業だという。最初の起業は東京大学工学部の学生だった2011年のこと。「ネット家電メーカーをつくりたい」という夢を抱いて、2人の創業メンバーと株式会社Plutoという会社を起業した。家電メーカーといっても、リモコン操作を端末で一括操作できるような製品の開発を行う、いわばIT寄りの事業展開をめざしていた。

「2008年にiPhone3Gが出た直後の頃のことですね。さっそく購入して、これがリモコンになったらいいな、と率直に思いました。スマートフォンを利用したスマート家電は、いまではスマートリモコンが浸透してIoTとして最も身近なツールとなっています。当時はちょっと早すぎたのかもしれません」(業天亮人、以下発言は同氏)

東大在学時に立ち上げた事業。当時は大学在学中の起業例はあったものの数としては多くなかったこともあり、注目を集めた。だが、リリース後に目指す事業の方向性の違いから、代表を退任することになった。

家具メーカーとのコラボで技術を磨く

業天氏の2度目の起業は2015年、Stroboの創業である。

「創業時に想定していたのは、スマートクッション、スマートベッドなどネットと家具とをつなぐ非・電子領域の製品のIoT化支援の領域です。純粋なインダストリアルテクノロジーとは少し趣の異なる領域で、ベッドやオフィスチェアにスマートフォン・インターネット連動の圧力センサーを組み込み、眠りや姿勢の見える化を実現しました。その情報を活かすこともできる、つまりネット家電ともネット家具ともいうことができ、いずれにせよ日常生活寄りの領域です。実際に家具メーカーとコラボして、家具へのセンサーの組込みやデータの収集や解析、アプリの開発などを請け負ってきました」

Stroboを創業した当時は、日常生活寄りのIoT製品をつくりたいという気持ちしかなかった。だが、自分の強みはソフトウェアのエンジニアとしてこそ発揮できる。一方、最初の起業の際も、メーカーのハードウェアの技術・知識の高さを痛感していた。そこでStroboの起業では、最初の1年間はメーカーとのコラボレーションを前提に事業展開を考え、既存メーカーのIoT支援をメインの業務としたのである。

「仕事としては大量のセンサーデータをクラウドに上げて処理するシステムの開発なども行っていました。そのうち『自社ブランドの製品を持ちたい』という事業家としての思いが強くなってきたわけです」