起業家が直面する「死の谷」と「受託の罠」という2つの試練をどう乗り越えるか

起業家にとって、自社の事業を確立させ、営業キャッシュフローで会社が回るのが先か、それとも資金が尽きるのが先か。これはスタートアップ界隈では「死の谷(デスバレー)」とよばれ、スタートアップが乗り越えるべき最大の試練といわれます。

特に、外部資金を調達している場合は、サービスやプロダクトをしっかり作りこむために大きく投資することが前提になります。従って、それだけ死の谷は深く、長くなる可能性があります。

この「死の谷」という概念に対して、しばしば対比的に聞かれるのが「受託の罠(ワナ)」というキーワードです。受託の罠とは、ITシステムの開発業界で使われる「フルスクラッチ開発」のような「稼働」に応じて収益を得るビジネスモデルのことを指します。

使われ方は人によってあいまいで、必ずしも明確な定義があるわけではありません。このコラムでは、請負契約や業務委託契約などによる受託ビジネスを指すこととします。

受託ビジネスは、基本的に労働集約モデルになるため、「稼働率と稼働人数で上限が決まってしまうので、なかなか事業が急成長できない」とか「採用と育成も含め、先が見えにくい」といった課題意識を持っている経営者が多いと感じます。

この「受託の罠」と「死の谷」について考えることは、事業のキャッシュフローや将来を考えることに直接つながるため、以下の図を活用して、少し構造的に整理をしてみましょう。