M&Aの相続対策、相続にまつわるデータと相続で揉める理由を一挙に紹介!

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相続トラブル防止に有効となる「遺言」作成

M&Aを行い、多額の資金が入金になった経営者にとって相続は切っても切れない大きな問題。相続に関するもめごとは年々増加しており、円滑に相続を行うには事前にしっかりとした準備が必要だ。今回は、相続にまつわるデータと相続でもめてしまう主な理由について説明する。

近年の遺言書の作成件数や相続に関するトラブルの発生件数

まずは、近年の遺言書の作成件数や相続に関するトラブルの発生件数についてみていこう。公正証書遺言の作成件数は年々増加し、現在は 10万件を超える遺言書が作成されている。公正証書遺言とは公証役場で遺言の内容を公証人に口述し作成する遺言をいう。

自筆証書遺言とは、自らが全文を署名して作る遺言のことだ。自筆証書遺言では、遺言書の発見者が証拠保全のため家庭裁判所に手続きを申し立てる検認手続きが必要となる。

相続でもめてしまった件数は、遺産分割調停審判件数で確認することができる。遺産分割調停審判件数とは、相続により被相続人の財産を巡り裁判沙汰となった、相続人間で争いが発生した件数で年々争続は増えている。

多くの方は、テレビや新聞などの報道や周りの人たちから、兄弟や親族が相続でもめてしまい、裁判沙汰になっているなどを見聞きされたことがあるだろう。

公正証書遺言、自筆証書遺言にかかわらず、遺言作成の増加とともに、相続に関するトラブルの発生も増えているのが実情だ。

相続に関するトラブルの主な原因

ここでは、どうして相続に関するトラブルの発生が増えているのか、その背景は何かを考えていく。要因は3点考えられる。

1点目は、民法の相続制度が、親の財産全てを長男が相続する家督相続から相続人に均等して配分する均分相続に変わったということ。

以前は親の財産は全て長男が引き継ぐということになっていて長男以外の方々は文句がいえなかった。しかし均分相続により法定相続分や遺留分が定められたことから、一定の取り分が定められた相続人が存在することになった。

2点目は、権利意識の高まりすなわち平等の主張が強くなったということ。家督相続の廃止により、兄弟、姉妹に関わらずまた既に嫁いでいて別姓になっていても、子供はみな平等というようなことを強く主張するようになったことは争続が増えた原因といえるだろう。

3点目は、財産の形態で相続財産額の43%が分割しづらい不動産であること。相続財産額の種類別構成比を見てみると、土地が38%、家屋・構築物が5%で全体の試算のうち43%が不動産になる。

1つの不動産を分けることは難しく、また複数の不動産であっても不動産の価値そのものの判断が困難であること、また1つの不動産を複数の人で共有する持分という方法もあるが、処分に際し共有者全員の合意がないと売却できないなど、処分・換金が難しいことから、トラブルに繋がる可能性が高いと思われる。

このようなトラブルを防ぐために有効なのが遺言にほかならない。

遺言は争続をなくすためには大変重要

遺言は、相続に関するトラブル防止のための事前準備であり、スムーズな相続を実現するための一つの方法ということになる。相続対策の中で、まずきちんと押さえておきたいのが、ご自身の資産に関する現状分析だ。

現状分析は、相続財産、相続財産評価額、相続税額の3点を把握することから始めるのが効果的。 その上で、相続対策として遺産分割対策、財産移転対策を検討してくことが重要となる。企業オーナーの立場であれば、併せて事業の承継対策の考慮も必要になるだろう。

文:M&A Online編集部

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