M&Aの相続対策、相続税対策の失敗事例とは?

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M&Aを行うと多額のお金が入ってくる。経営者の多くは相続税対策を講じてはいるが、いざ相続が起こると期待していた効果が得られないケースも多い。そこで今回は相続税対策の失敗事例について説明する。相続に関する失敗の代表的な例である名義預金と不動産について取り上げる。

事例1.  贈与した預金を名義預金と指摘されてしまった事例

Aさんは以前から年に1回、子や孫名義の通帳に贈与税の基礎控除以下(110万円以下)で入金してきた。基礎控除以下であれば、贈与税の課税はなく相続税対策になるものとの認識からの行動だった。

その後、Aさんに相続が発生し相続税の申告をした。しばらくすると税務署の調査が入り、子や孫名義の預金が名義預金であると指摘され、相続税を追加で払うことになってしまった。

Aさんは贈与税の基礎控除が110万円と知っており、毎年子供や孫名義の通帳に基礎控除以下で入金してきた。その金額は、5,000万円(1人1,000万円×子供・孫の5人)となり、贈与により子供と孫に移転できたとAさんは考えていた。

しかし、実質的には贈与の実態がなく名義を変更にしたに過ぎない。これを名義預金と呼び、相続財産となるのだ。

これに対し、適切に贈与された財産は、受贈者が自分のものとしてその資産を使用し、また管理支配・運用していることが通常の状態とされる。

税務調査でAさんが贈与したと思っていた子供と孫名義の預金について下記のような指摘があった。

・子供と孫たちが自分達の印鑑で通帳を作成していない→自分の通帳であれば自分の印鑑を使うのが普通
・子供と孫たちが通帳の存在を知らない→自分の通帳であればあることは知っているはず
・贈与契約書がなく、子供や孫が贈与の事実があったかどうか不明→本当に贈与が行われたのか説明できない
・贈与者が子供と孫たちの通帳の支配・管理・運用→実質的な贈与が行われていたとはいえない

以上のような指摘を税務署から受けてしまい相続税が追徴されてしまった。ではどのように贈与を行えばよかったのか?  適切な贈与は下記の点に留意が必要となる。

・子供と孫たちは自分の印鑑で通帳をつくる
・自署押印のある贈与契約書を作成し、確定日付を取る
・子供と孫たちは通帳と印艦を自分で管理・保管をする
・子供と孫たちは自分のものとして積極的に通帳を活用する
・110万円を超える贈与の場合には必ず贈与税の申告と納税をする

これらのポイントを押さえていれば贈与が名義預金とみなされることはないと思われる。

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