経産省が事業再構築支援、中小を「卒業」する企業に手厚く

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総額1兆1485億円、ポストコロナに向けた経済対策

経済産業省は1月20日、新型コロナウイルスの追加経済対策として創設する「事業再構築補助金」のリーフレットを公開した。中小企業などの業種・業態転換や事業・組織再編を支援する制度で、中小企業から中堅企業に成長する事業者などには最大1億円を補助する。

事業再構築補助金は、新型コロナの感染拡大防止や収束後に向けた経済構造の転換などを促す2020年度第3次補正予算案に盛り込まれた。補助総額は1兆1485億円と大規模で、予算案における中小企業支援策の柱となっている。

中小企業を「卒業」する事業者などに最大1億円

対象となるのは、以下の3点をすべて満たす中小企業など。

1.申請前の直近6カ月間のうち、任意の3カ月の合計売上高が、コロナ前の任意の3カ月の合計売上高から10%以上減少している。
2.事業計画を認定経営革新等支援機関や金融機関と策定し、一体となって事業再構築に取り組む。
3.補助事業終了後3~5年で付加価値額または従業員1人当たりの付加価値額の年率平均が3.0%(一部5.0%)以上増加する。

なお、「任意の3カ月」が連続している必要はない。付加価値額は営業利益、人件費、減価償却費の合計で、増加要件を達成できなかった場合の補助金返還などのペナルティは未定。

「通常枠」の中小企業に対する補助額は100万円~6000万円だが、組織再編か新規設備投資、グローバル展開のいずれかで資本金、従業員を増やして中堅企業に成長する「卒業枠」の事業者(400社限定)は6000万円超~1億円と手厚くする。補助率はいずれも3分の2。

また、中堅企業への補助額は通常枠が100万円~8000万円で、補助率2分の1(4000万円超は3分の1)。さらに、100社限定の「グローバルV字回復枠」は8000万円超~1億円(補助率2分の1)に拡大する。

グローバル展開の支援も手厚く

グローバルV字回復枠の要件は、
1.直前6カ月間のうち任意の3カ月の合計売上高がコロナ以前の任意の3カ月の合計売上高と比較して15%以上減少している中堅企業。
2.補助事業終了後3~5年で付加価値額または従業員1人当たりの付加価値額の年率5.0%以上増加を達成すること。
3.グローバル展開を果たす事業
の3点をすべて満たすこととなっている。

事業再構築補助金の対象経費は建物費用や建物改修費、設備費、システム購入費、外注費(加工・設計など)、研修費、技術導入費(知的財産権導入にかかる経費)、広告宣伝費・販売促進費など。従業員の人件費や旅費は対象外となる。

予算成立後、公募要領などを公表

第3次補正予算案は1月18日召集の今通常国会に提出され、与党は月内の成立を目指している。事業再構築補助金の公募開始時期や対象業種などは未定だが、経産省は公募開始前に事業再構築指針や公募要領を公表する構え。

文:M&A Online編集部

関連リンク
事業再構築補助金 (METI/経済産業省)
中小の事業再構築に1兆1485億円、第3次補正予算案を閣議決定 - M&A Online

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