事業再構築補助金の基金設置法人、「公募なし」からようやく決まる

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中小企業庁(東京・霞が関)

中小機構、「事業再構築補助金」基金設置法人に決定

中小企業庁は3月18日、2020年度第3次補正予算「事業再構築補助金」の基金設置法人を中小企業基盤整備機構(中小機構)に決定した。

2度の応募ゼロで随意契約

事業再構築補助金の基金設置法人は1月から計2回公募したが、いずれも応募がなかった。

国の競争入札で再度の入札をしても落札者がないときは、予算決算及び会計令の規定に基づき随意契約(不落随契)を結ぶことができる。このため、外部有識者による審査委員の承諾を得た上で複数の団体に打診した結果、中小機構のみが応じた。

基金設置法人は総額1兆1400億円余りの基金の造成、管理・運用、助成を担当する。交付規程策定や公募、審査・採択、交付決定などに係る業務は、事務局のパソナグループが中小機構と委託契約を結んだ上で行う。

事業再構築補助金の対象は

事業再構築補助金は新型コロナウイルスの追加経済対策として創設された制度で、第3次補正予算の中小企業支援策の柱。中小企業などの業種・業態転換や事業・組織再編を支援し、中小企業から中堅企業に成長する事業者などには最大1億円を補助する。

経済産業省が示している補助対象は、
1.直近6カ月のうち任意3カ月の合計売上高がコロナ前の任意3カ月の合計売上高から10%(一部15%)以上減少した中小企業など
2.補助事業終了後3~5年で付加価値額または従業員1人当たりの付加価値額が年率平均3.0%(一部5.0%)以上増加する中小企業など
3.経産省が示す「事業再構築指針」に沿った事業計画を認定支援機関などと策定した中小企業など。

補助額は100万円から1億円で、補助率は2分の1か3分の2。補助事業の期間は2022年度末までで、採択件数は約5万5000件を見込んでいる。

事業効果の向上が課題に

一方、補助金交付申請の公募開始は3月中が予定される中、事業再構築指針の内容や付加価値額の増加要件を達成できなかった場合のペナルティなどは未だ明らかにされていない。

さらに、中小機構の提案には事業効果を高める具体的な工夫が示されておらず、審査結果には「実施段階での効果的な取り組みを期待する」との評価コメントが付された。

長引くコロナ禍で事業再構築のニーズが高まる中、超大型の補助金制度を迅速かつ効果的に運用するための方策が問われそうだ。

文:M&A Online編集部

関連リンク:令和2年度第3次補正予算「中小企業等事業再構築促進事業」に係る基金設置法人を決定しました (METI/経済産業省)

M&A Online編集部

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