今年に入って調剤薬局の倒産が過去最高のペースで進んでいる。しかし、人口の高齢化で医療費の増大は続いており、調剤薬局には追い風のはずだ。なぜ、ここに来て調剤薬局の倒産が多発しているのか?そして、生き残りのための対応策として何が考えられるのか?
調剤薬局最大手のアインホールディングスが500億円を投じて、インテリア・雑貨のフランフラン(東京都港区)を傘下に収める。経営の第2の柱とするリテール(小売り)事業の強化が狙いだ。
隣接するドラッグストア業界と調剤薬局業界をめぐり、横断的な再編の動きがにわかに高まってきた。その引き金を引く格好となったのが他ならぬモノ言う株主だ。
調剤薬局大手のクオールホールディングスはM&Aをテコに、周辺・関連領域に事業を広げてきた。その一つが4年前に進出した医薬品製造。今年5月、同社として過去最大となる企業買収を発表したが、ターゲットに定めたのは医薬品メーカーだった。
2019年の調剤薬局・ドラッグストア業界のM&Aは22件となり、2009年の21件を上回り2008年以降の12年間で最多となった。ただ中止が3件と破談も目立った。
ソフィアホールディングスは、来年1月1日付で予定していた「なのはな」(宮城県塩竃市)が運営する調剤薬局3店舗の買収を取りやめた。同社は今年に入り調剤薬局で8件のM&Aを公表したが、今回を含めて2件が中止に追い込まれる異例の事態に。
経営統合に向けて協議を開始したドラッグストア大手のマツモトキヨシホールディングスとココカラファインの両社社長が22日で記者会見。統合新会社は売上高1兆円、3000店舗規模。マツキヨは業界トップに返り咲く。ココカラは勝ち残りを目指す。
東証適時開示ベースで、2019年2月のM&Aは77件と、前年同月(60件)を約3割上回った。MBOで株式の非公開化を目指す動きも2件あった。海外案件は13件と前年並みだった。取引金額1000億円を超える大型M&Aはなかった。
東証の「適時開示」ベースで、2018年の企業別のM&A(企業・事業の買収または売却)件数ランキングを12月28日時点でまとめたところ、10件を手がけたソフィアホールディングスが最多だった。10件中、買収は9件で、いずれも調剤薬局が対象。
東証の「適時開示」ベースで、2018年の企業別の買収件数ランキング(9月14日時点)を集計したところ、マッチサイト運営のシェアリングテクノロジーの9件が最多だった。2位はソフィアホールディングスの5件で、いずれも買収先は調剤薬局だった。