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実は高い日本の「コロナウイルス致死率」、こうすれば抑えられる

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致死率の差は「検査件数」の差

致死率が低い韓国では2020年1月末の感染確認から3月11日までの約40日間に22万人以上にPCR検査を実施。「無症状」「軽症」「重症」でトリアージ(患者の重症度を判断して治療の優先度を決める)し、「軽症」の感染者を新設の「生活治療センター」に収容した。

その結果、重症者だけが医療機関での集中治療を受けることになり、検査で大量の感染者が判明した場合に懸念された「医療崩壊」は起きなかった。さらに軽症患者を隔離する生活治療センターも自宅隔離と違って医療モニタリングにより容態の急変に対応できるため、致死率の低下につながっている。

検査で感染者は急増したが、適切なトリアージの結果「医療崩壊」は起きなかった韓国

ダイヤモンド・プリンセスの乗員・乗客も全員が検査を受け、感染が判明すると直ちに医療機関に搬送・隔離され、医療モニタリングと適切な治療を受けることができた。つまり同船内に限っては、韓国と同じ感染症対策が取られていたわけだ。だから韓国に匹敵する低い致死率に留まったのである。

一方、国内感染者は検査を要請したにもかかわらずを受けることができず、数カ所の医療機関を経てようやく検査を受けた結果、感染が判明したケースが続出している。国内での検査体制が追いつかないのが原因だが、検査遅れで重篤化して医療機関に搬送される事例も後を絶たない。治療が遅れれば、当然ながら致死率も上がる。

要は韓国やダイヤモンド・プリンセスのように、検査を徹底して適切なタイミングで医療を受けられる体制を整えれば、致死率は大幅に下がるということだ。致死率が韓国の4分の1近いドイツでは、自動車に乗ったまま利用できるドライブスルー検査をいち早く導入するなど検査件数を増やす施策に取り組んでいる。

日本でも加藤勝信厚生労働相が3月16日の参院予算委員会で「診療の場所を院外につくり、必要であればPCR検査もやる。わが国で否定されているわけではない」と答弁し、ドライブスルー検査の可能性を否定していない。

しかし、問題は検査能力だ。韓国ではバイオテクノロジー企業が中国発案のウイルスの遺伝子配列に基づいた検査キットを開発。韓国政府も通常は1年かかる同検査キットの製造・販売の認可を数週間で下し、検査能力を大幅に向上した。日本の現状の対応では、検査件数を大幅に伸ばすのは難しい。当面、日本のCOVID-19による致死率は高水準で推移しそうだ

文:M&A Online編集部

【おわびと訂正】文中で「死亡率」とありましたが、厳密には疫学における特定の疾病に罹患した母集団のうち死亡する割合を示す「致死率」でした。おわびして訂正します。

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