中小企業・経営者向け M&A相談所 その時、どうする?

「M&Aを進めています。反対者が出てきたらどうすればいいですか?」


会社の将来にとって何が得策かを判断基準にしましょう

M&Aを進めているとき、反対者が出たとしても原則として株主以外の者は、反対する権利はありません。また、少数の株主が反対しても、3分の2以上の株主の賛成があれば、決議上はM&Aを進められます。

株式譲渡について、取締役会の承諾が必要な会社は、その承認を得られないと直ちに株式を譲渡するのに障害が生じますが、臨時株主総会で反対している取締役の解任決議をすれば、法的には実行可能です。

このように法律上は、大株主の意思に反してM&Aに反対することはできないのですが、強引にM&Aを進めて従業員の士気が落ちたり、離職者が続出すると、お相手(買い手企業)も手を引いてしまいます。「会社の将来にとって何が得策か」を念頭に、反対者も含めてよく話し合うことが大切です。

反対者を出さないための心得

1.決まってから説明する
よかれと思って進捗報告をしても、個人的な思惑でごねる者も出かねません。無用なトラブルを避けるためにも、M&Aが正式に決まってから説明しましょう。

2.相手の会社についてきちんと説明する
相手のことがわからないと不安が生じますので、相手の会社と買収目的について丁寧に説明することが必要です。買い手企業のトップが挨拶したり、説明することも有効です。

3.今後の処遇について説明する
今後の勤務条件や処遇をきちんと説明しましょう。従来と変わらないことがわかると、従業員は安心します。また変わる条件がある場合は、しっかりと説明しておくべきです。

4.会社の意思決定の仕組みを押さえる
同意を得ることが重要だといっても、変に下駄を預けるような話の仕方をすると、かえって不安を招いたり、過剰な権利意識をもたれてしまうことがあります。それぞれの立場と決定権の所在は明確にすべきです。

経営者のホンネ

会社を売る決断にいたる経営者の苦渋は、思いのほか立場を買えると理解されないものです。従業員の最大の関心事は、「待遇がどうなるか」であると割り切ることも必要なのかも知れません。

文:M&A Online編集部