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地銀の経営統合に道 長崎の銀行がモデルに

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海に面した長崎市。造船業などの企業が多い

キャッシュレス化と仮想通貨技術が切り札

経費削減の取り組みの一つがキャッシュレス化だ。ふくおかフィナンシャルグループ傘下の福岡銀行は、みずほ銀行のほか地元の競合相手である北九州銀行や西日本シティ銀行と共同で、北九州市でキャッシュレス決済の実現性を検証するための実証実験を9月から始める。

JR小倉駅周辺の店舗や大型商業施設などで決済アプリ「プリン」を用いて行う。プリンは個人間の送金や店頭での決済機能を持っており、銀行口座から簡単にスマートフォンに入金ができる。

キャッシュレス化が進めば現金の輸送や現金自動預け払い機(ATM)の設置台数の削減などが可能になり、経費を削減することができる。

こうした狙いから三菱UFJ銀行でもスマートフォン決済アプリ「ペイビー」の取り扱いを10月から始める。

ペイビーは公共料金や通信販売なで使用される払い込み票のバーコードをスマートフォンのカメラで読み取り、銀行の口座からリアルタイムで支払いができる。

さらにメガバンクの一つである三井住友フィナンシャルグループもGMOインターネットゲートウェイとの間でキャッシュレス決済を支える事業者向けの次世代決済プラットフォームの構築について協議を始めた。

ネット決済からリアル決済までシームレスに様々な支払い手段をワンストップで支援するもので、クレジットカードや電子マネー、バーコード決済などの支払い手段に対応することを目指す。

こうしたキャッシュレス化に加え、銀行による仮想通貨への対応も表面化してきた。三菱UFJ銀行は2018年5月に仮想通貨のリップル(XRP)を用いて国際送金の実証実験を始めた。みずほ銀行も2017年9月に、三井住友銀行も2017年12月にそれぞれブロックチェーン(分散型台帳)技術を用いて送金や決済などの実験に乗り出した。

三菱UFJ銀行はリップル(XRP)を用いてタイとシンガポールとの間の送金を行う。みずほ銀行はブロックチェーン技術を用いてサプライチェーンを統合的に管理する。三井住友銀行ブロックチェーン技術を活用した貿易取引の時間短縮やコストの削減、セキュリティ-の向上などに取り組む。

日銀はマイナス金利政策を当面続ける方針を打ち出しており、銀行の経営環境が改善する兆しはない。銀行は生き残りをかけたM&Aやキャッシュレス化、仮想通貨の活用などをさらに推し進めるしかなさそうだ。

文:M&A Online編集部

M&A Online編集部

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