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地銀の経営統合に道 長崎の銀行がモデルに

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海に面した長崎市。造船業などの企業が多い

十八銀行は親和銀行と合併

両行では2018年10月に株式交換契約を締結し、2018年12月に臨時株主総会を開催し、2019年4月に経営を統合する。さらにその1年後の2020年4月1日に十八銀行は、同じふくおかフィナンシャルグループの傘下で長崎県佐世保市に本店を置く親和銀行と合併する予定だ。

両行は統合後、重複店舗の統廃合などによる業務の効率化を進める一方、長崎県に多い離島の店舗は残し、利用者の利便性を維持する。さらに統合後、金利引き上げがないよう金利水準を確認する仕組みを導入するほか、こうした対策について定期的にアンケートを実施し、実行状況をチェックしていく。

地銀再編のモデルとなりそう

ふくおかフィナンシャルグループは2007年3月に福岡銀行と熊本ファミリー銀行による株式移転により両行の親会社として誕生した。その後2007年10月には親和銀行を完全子会社化した。

十八銀行は国立銀行条例に基づき、第十八国立銀行として1877年に設立された。1929年に 有家銀行を合併し、1942年には諫早銀行を合併。さらに1944年に長崎貯蓄銀行を合併するなどして業容を拡大してきた。

長崎県は、周囲を海に囲まれていており、壱岐、対馬、五島列島などの島が多く、その数は日本一だ。三菱重工業長崎造船所や佐世保重工業などによる造船業が盛んで、下請けの造船関連企業が多い。

両行は経営統合によるシナジー効果によって生み出される人員や経営資源を活用して、事業承継支援や経営改善支援などに取り組み、長崎県内企業の成長に貢献するとしている。

日本には地銀の本店が長崎県のように3行以上存在する地域は静岡県や新潟県など13都府県あり、こうした地域でも、市場占有率の引き下げや健全な競争の維持などが実現できる判断されれば、M&A が可能になる。今回のふくおかフィナンシャルグループと十八銀行の事例は再編のモデルとなりそうだ。

銀行を取り巻く経営環境は厳しくなる一方。このため店舗の統廃合や人員の削減などが可能な経営統合だけでなく、さらなる経費削減のための取り組みが必要となる。どのような取り組みがあるのだろうか。

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