様々なアイデアで事業を拡大 

中期経営計画の初年度となる2020年3月期の業績は売上高1232億4800万円(前年度比1.9%増)、営業利益188億7600万円(同1.9%増)、経常利益196億4900万円(同0.3%減)、当期利益137億6500万円(同5.7%減)となった。 

新型コロナウイルスの感染拡大に伴い中国の生産拠点でマイナス影響があったものの、国内は稼働を維持できたことから漢方製剤の供給に問題はなく、売り上げが順調に伸びた。増収に伴って営業増益となったものの、上海上薬津村製薬有限公司の解散に伴い評価損を計上したため当期利益は5.7%の減益となった。 

初年度の結果と中期経営計画に掲げた目標数値にはまだ開きがある。2年目の2021年3月期については新型コロナウイルス感染症拡大の影響を反映させていない数値として、売上高1320億円(同7.1%増)、営業利益170億円(同9.9%減)、経常利益179億円(同8.9%減)、当期利益130億円(同5.6%減)を予想する。 

売上高は目標まであと一歩のところまで近づくが、利益は1年目よりも乖離が大きくなる。これに新型コロナウイルスの影響が表れると売上高、利益とも減少することが見込まれるため、目標からは一段と離れることになる。 

ツムラは奈良出身の津村重舎氏が、1893年に上京して創業した企業。「良薬は必ず売れる」との信念のもと、創業20日ほどの時に新聞広告を出したのをはじめ、1895年に日本初のガスイルミネーション看板を店舗に取り付けたほか、1907年には東京で最初の電気看板を取り付けるなど、様々なアイデアで事業を拡大してきた。 

中期経営計画の目標達成、中国事業の拡大、新型コロナウイルス対策など、目の前にはいくつもの課題が立ちはだかる。様々なアイデアで事業を拡大してきた同社ならでは取り組みが、どのような形で展開されるのか。選択肢には新たなM&Aもありそうだ。

【ツムラの業績推移】単位:億円、決算期は3月、2021年は見込み 

  2017年 2018年 2019年 2020年 2021年
売上高 1149.54 1178.79 1209.06 1232.48 1320
営業利益 159.83 170.5 185.2 188.76 170
経常利益 163.99 179.14 197.02 196.49 179
当期利益 124.88 145.04 145.93 137.65 130

文:M&A Online編集部