【綿半ホールディングス】「400年企業」がM&Aで変革に挑む

alt
東京本社のある綿半野原ビル(東京・四谷)

6期連続で経常最高益を更新

綿半ホールディングスの足元の業績はどうか。2021年3月期決算は売上高4.5%減の1147億円、経常利益25.4%増の35億円、最終利益26.3%増の19億円。経常利益は6期連続で最高益を更新した。

現行の3カ年の中期経営計画では最終年度の2022年3月期に売上高1200億円、経常利益32億円を目標とするが、経常利益については1年前倒しで計画を達成した。

◎綿半ホールディングスの業績推移(単位億円、22/3期は予想)

2018/3期 19/3期 20/3期 21/3期 22/3期
売上高 1023 1064 1201 1147 1200
営業利益 23.4 23.6 26.3 32.8 33.7
経常利益 25 25 28.1 35.2 35.5
最終利益 14.8 16.1 15.1 19.1 21

売上高構成をみると、小売事業が3.8%増の806億円、建設事業が24.5%減の278億円、貿易事業が12.8%増の60億円。

小売事業はM&Aによる増収効果に加え、新型コロナウイルス感染症拡大による巣ごもり需要でDIY用品や園芸用品など利益率の高い商品の売れ行きが好調に推移し、部門(セグメント)利益も58.2%増の25億円と全社業績を牽引した。一方、建設事業はコロナ禍が逆風となり、受注減が響いて期中の完成工事高が大きくダウンした。

貿易事業は抗菌・巣ごもり関連商品が伸びたほか、医薬品原料、化成品原料の輸入販売が堅調に推移した。貿易事業は2010年に買収したミツバ貿易(現綿半トレーディング)をベースとし、現在、経営の第3の柱を担う。

「木造住宅」を次の柱へ、夢ハウスを買収

建設事業におけるキーワードが「メーカー建設業」。人手不足などで建設コストが上昇する中、メーカー化による高収益力体制の追求と競争力の強化を狙いとする。自走式立体駐車場、ドローンを活用した屋根診断システム、アルミ大型大開口サッシ「GLAMO」など自社開発による独自商品に強みを持つ。鉄骨加工から派生した自走式立体駐車場、屋根・外装改修はそれぞれ国内トップクラスのシェアという。

その建設事業で目下、新たな柱として育成中なのが木造住宅だ。2019年8月に、戸建木造住宅「真壁づくりの家」を展開するサイエンスホーム(浜松市)を買収し、参入したばかりだが、早速、M&Aの第二弾に動いた。

この6月10日、夢ハウス(新潟県聖籠町)の全株式を取得し子会社化すると発表した。夢ハウスは1996年設立で、木造住宅のフランチャイズ事業を展開し、全国約400社の加盟店を持つ。売上規模は137億円(2020年9月期)。買収金額はアドバイザリー費用を含めて27億1800万円で、綿半として過去最大のM&Aとなる。

夢ハウスは山林の育成から製材、乾燥、プレカット、施工にいたる全工程を自社で手がける一貫体制を確立し、新潟県内に3つの加工工場を持つ。2年前にグループ入りしたサイエンスホームと連携し、木造住宅事業を一気に拡大する構えだ。

すでに創業から420年余の綿半グループにとって次の節目は「500年企業」。コロナ後を見据えつつ、持続的成長に向けた事業構造をどう作り上げるのか、長寿企業の変革への挑戦が注目される。

文:M&A Online編集部

M&A Online編集部

M&Aをもっと身近に。

これが、M&A(企業の合併・買収)とM&Aにまつわる身近な情報をM&Aの専門家だけでなく、広く一般の方々にも提供するメディア、M&A Onlineのメッセージです。私たちに大切なことは、M&Aに対する正しい知識と判断基準を持つことだと考えています。M&A Onlineは、広くM&Aの情報を収集・発信しながら、日本の産業がM&Aによって力強さを増していく姿を、読者の皆様と一緒にしっかりと見届けていきたいと考えています。


NEXT STORY

【2020年】マツダ・イトーヨーカ堂・横浜銀行…「100年企業」のルーツは?

【2020年】マツダ・イトーヨーカ堂・横浜銀行…「100年企業」のルーツは?

2020/01/06

「TOKYO2020」イヤーの今年に、創業100年の節目を迎える企業は1458社を数える(東京商工リサーチ調べ)。1920(大正9)年生まれを代表する企業をピックアップし、そのルーツを探ってみると。