モノからサービスへの転換でM&Aが加速か?

最大の理由は2019年3月25日に開いた発表会で、動画ストリーミングサービスや自社クレジットカード、オンラインゲームサービスへの参入を明らかにしたことだ。従来は新型ハードウェアを大々的に披露するのが通例だったが、あえて発表会直前のタイミングでタブレット「iPad Air」「iPad mini(第5世代)」やデスクトップパソコン「iMac」などの新製品を地味に前倒し発表するなど、アップルは「ハードウェアからサービスへ」の転換を強く印象づけた。

動画配信サービスの告知も始まった(同社ホームページより)

アップルは動画ストリーミングやクレジットカード、オンラインゲームなどでは完全に後発。市場には強力なライバルがグローバルで存在し、アップルブランドを持ってしても新規参入は容易ではない。そこですでに市場で安定したシェアを持つ既存企業を買収することで、サービス市場での基盤を固めるのではないかと見られているのだ。

動画配信サービスは超大型M&Aの「台風の目」で、2018年に米ウォルト・ディズニー(ディズニー)が713億ドル(約8兆円)で米21世紀フォックス傘下の映画会社20世紀フォックス(フォックス)を買収したのも、真の狙いはディズニーとフォックスが30%ずつ出資する米Huluだったといわれている。この買収でHuluに対するディズニーの出資比率は60%に。Huluはディズニーの子会社となった。

実は1年以上前から、アップルによる米Netflix買収が噂になっている。Huluがディズニーの子会社となったことで、Netflix買収説の現実味が増している。Netflixは全世界で加入件数が1憶3000万件を超え、Huluの5400万件(有料契は2300万件)を大きく引き離す動画配信の「巨人」だ。