老人ホーム「アミーユ」を運営するメッセージ(現・SOMPOケアメッセージ)はM&Aを活用して介護業界で成長してきた。しかし施設の不祥事をきっかけに業績が悪化、2016年3月にSOMPOホールディングスの傘下に入り再建をめざすが、道のりは険しい。
ヤフーがM&Aを駆使してインターネットの経済圏を広げています。検索エンジンを中核に広告や通販、金融にも進出、19期連続で増収増益を達成しました。ただ足元では一休などの大型買収でのれんが膨らんでいます。M&Aの軌跡を点検し、ヤフーの今後を探ります。
「おーいお茶」で知られる伊藤園がM&Aを駆使して総合飲料メーカーへの脱皮を急いでいます。タリーズコーヒーの運営会社を買収したほか、乳製品市場にも進出しました。ただ大手2社と比べて規模は小さく、再編に巻き込まれるリスクも浮上しています。
ソフトバンクグループが再び大型M&Aに挑戦している。2016年7月、英半導体回路設計大手のARM(アーム)ホールディングスを3.3兆円で買収すると発表した。巨額買収をわずか2週間でまとめあげた孫正義社長の手腕が光るが、買収価格は割高との見方も残る。
リクルートホールディングスが海外でM&A攻勢をかけています。2016年3月期の連結売上高は1兆5000億円を超え、4年前から倍増。国内の人材会社ではダントツですが、世界ではまだ4位。人材系企業で世界一を狙うリクルートのM&A戦略を検証します。
アステラス製薬がM&Aを通じて、がんや移植など成長領域の医薬品開発を加速しています。米バイオベンチャーなどを買収し海外収益を伸ばしつつ、相乗効果が見込めない事業は譲渡し資金効率を高めます。M&Aによる選択と集中の好事例と言えそうです。
ファーマライズホールディングスは調剤薬局を主力としながら、ドラッグストアや化粧品販売も手がけています。M&Aを通じてコンビニの利便性と調剤薬局の専門性を掛け合わせた新たな業態にも進出。ヤマダ電機とも提携し、積極的に販路を拡大しています。
バーモントカレーのCMでお馴染みのハウス食品グループ本社は単なるカレールウの会社ではありません。「カレーハウスCoCo壱番屋」や香辛料の「ギャバン」を買収して事業を拡大しています。ルウを軸にレストランやスパイスも融合させる同社のM&Aは一味違います。
夢真ホールディングスは2005年、買収防衛策導入企業に初の敵対的TOBを実施、一躍有名になりました。しかしTOBは失敗に終わり、経営不振の建設会社買収も裏目に出て財務の立て直しに追われることになります。窮地からの復活の原動力となったのもM&Aでした。
リンクアンドモチベーションは人のやる気を高めるモチベーション技術に着目したコンサルティングが主力です。最近ではPCスクールや学習塾などの消費者向け事業にも進出しました。設立から16年でM&Aは18回も実施。自社の事業構造を急速に変革しています。
女性だけのフィットネスクラブ「カーブス」を運営するコシダカホールディングスはもともと中華料理店だった。1990年にカラオケ事業を開始、2008年にカーブス事業を買収し急成長した。その一方、ボーリング事業は早々に撤退するなどM&Aは迅速な経営判断が光る。
インターネット広告大手のアドウェイズは、情報端末が携帯電話からスマートフォンに移るなかでM&Aで事業を機動的に変化させています。最近では海外配送代行やウェブ動画技術の会社を買収しました。売上高は順調に拡大していますが、課題も浮上しています。
オリンパスというとカメラや内視鏡というイメージに加えて、財テクの失敗に端を発した事件で、粉飾にM&Aを利用したことで話題になった。かつては売上高1兆円の超優良企業であったオリンパスが、どんな経緯で不正に手を染め、M&Aを利用した粉飾を行ったのか。
ニプロは人工透析関連を主力とする医療機器メーカーですが、かつてはスーパーマーケットなどの小売事業も営んでいました。2006年に当時の売り上げの約半分を占めていた小売事業を譲渡し、医療分野に経営資源を集中。海外での積極的なM&Aに打って出ます。
マンツーマンのトレーニングジム「RIZAP」(ライザップ)を運営するRIZAPグループ。もともとは健康食品の通信販売会社でしたが、「結果にコミットする」というCMで一躍有名になり、RIZAP事業が急成長。稼いだ資金でM&Aも積極化しています。
近江商人をルーツとした総合商社である伊藤忠商事。早くから「非資源」を掲げ、資源関連に頼らず事業ドメインを拡充してきた戦略が功を奏し、2016年3月期、国内の商社で三菱商事、三井物産を抑え最終利益で業界No.1の地位を獲得するに至った。その戦略と強さに迫る。
イオングループ傘下でグループをけん引しつつ、独自路線・独自ブランドを崩さないツルハホールディングス。当時時価において約75億円相当の株式を割り当てた、くすりの福太郎の子会社化などビッグディールを含め、その歴史をひもといてみる。
うま味調味料の製造販売会社から、グローバル健康貢献企業グループへと変貌を遂げようとしている味の素。その過程には、数多のM&A(組織再編)がある。日本国民が慣れ親しんだメガブランドであるカルピスの買収・売却におけるROEの推移などから、経営戦略性の高さと実行力を見てみる。
マイナス金利の導入による収益環境の悪化、フィンテックの台頭、地域金融機関の再編など課題は山積みの金融機関。それはメガバンクにおいても今後の経営を楽観視できない状況である。みずほフィナンシャルグループの今後取るべき経営戦略について検証する。
業界再編・集約化が進む調剤薬局業界。プレミアムが付きやすい状況下にあるものの、全株式で40億円という大きなプレミアムを付け、業界内でも大きな話題となったアルファーム買収劇。それを実行したクオールの沿革と、その戦略をひもとく。
中国景気の減少に伴う資源安の影響などで、16年3月期に上場以来初の赤字転落となった三井物産。短期的なサイクルに左右されることなくポートフォリオのさらなる強化を図っている。同社が挙げる7つの攻め筋とともに、直近のM&Aの実績を見てみる。
マツモトキヨシのM&Aは、出店競争・価額競争・異業種からの参入と、激化する業界の鎮静化・課題解決を図るため、地場の大手企業と手を組むことからはじまった。ドラッグストア業界でM&Aが加速する流れの中、業界のトップを走り続ける原動力となっている、M&A戦略の変化を見てみる。
「進研ゼミ」「こどもちゃれんじ」などを手掛けるベネッセホールディングス。教育市場の競争激化や個人情報流出事件の影響などにより、通信教育講座の国内会員数が減少する中、予備校や個別指導塾、そして介護・保育、海外事業などへのM&Aを積極的に行っている。M&Aによる多角化の動きを見てみる。
トレードを中心とするビジネスから事業投資へビジネスを変革させてきた総合商社。住友グループの総合商社である住友商事も非常に多く事業会社に対して投資を行っている。米国タイヤ事業、リース事業、ケーブルテレビ事業、SCSKのキーワードから住友商事のM&Aを含む投資戦略を見てみる。
過去に9年連続で視聴率四冠王に輝き、近年も14年、15年と2年連続で年間・年度平均視聴率三冠王を達成している日本テレビ。だが、テレビ視聴者数とそれに伴う広告収入が減少する流れを変えられない今、他事業への多角化が必要となっている。これまでのM&Aと業績、総資産、純資産、自己資本比率の推移を見てみる。