(債務の確定の判定)
2-2-12 法第22条第3項第2号《損金の額に算入される販売費等》の償却費以外の費用で当該事業年度終了の日までに債務が確定しているものとは、別に定めるものを除き、次に掲げる要件の全てに該当するものとする。
(1) 当該事業年度終了の日までに当該費用に係る債務が成立していること。
(2) 当該事業年度終了の日までに当該債務に基づいて具体的な給付をすべき原因となる事実が発生していること。
(3) 当該事業年度終了の日までにその金額を合理的に算定することができるものであること。
このように「会計上の利益」と「法人税法上の課税所得」は変わって来ます。なぜ会計と税務では、取り扱いが違うのでしょうか。
その答えは「目的が違うから」です。会計は企業の正しい財政状態と経営成績を表すのが目的であって、報告の主たる相手は投資家と債権者です。
税務は税の徴収、つまり正しい課税が目的であって、企業にとってのメインの関与相手は税務署になります。これは会計がどちらかといえば企業実態を表すことに重点を置くのに対して、税務は税の徴収のために課税の公平と客観性に重点を置いているからです。
話をまとめると、会計上と税務の差異の内、収益や費用の認識タイミングのズレ(一時差異)があるものに関して、税引前当期利益と、税引後当期利益の調整を行うのが税効果会計なのです。
このような会計と税務のズレが生じるのは、今回取り上げた引当金だけに限りません。減損会計や資産除去債務、税効果会計なども該当します。 なお、記事の文字数との関係から、「繰延税金負債」の説明は割愛させていただきます。(基本的に「繰延税金負債」は「繰延税金資産」の反対のようなものとお考え下さい。)
税効果会計基準についてさらに興味をお持ちの方は、以下のURLをあたってみてください。理解が深まると思います。
[参考資料] 税効果会計基準など
・税効果会計に係る会計基準及び注解
http://www.fsa.go.jp/p_mof/singikai/kaikei/tosin/1a918b.htm
・繰延税金資産の回収可能性に関する適用指針
https://www.asb.or.jp/asb/asb_j/documents/docs/zeikouka2015/
・税効果会計に適用する税率に関する適用指針
https://www.asb.or.jp/asb/asb_j/documents/docs/zeikouka2015_2/
・税効果会計に関するQ&A
http://www.hp.jicpa.or.jp/specialized_field/main/post_1808.html
本日はここまで。お読みいただきありがとうございました。
[著]節税ヒントがあるかもブログ メタボ税理士さん
[編集・改変]M&A Online編集部
本記事は、「節税ヒントがあるかもブログ」に掲載された記事を再編集しております。
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本年3月に成立予定の平成29年度税制改正で、スクイーズアウトに関し重要な改正が予定されています。
買い手企業は、できることなら投資回収を早めに済ませて、事業の成長や次の買収に資金を使用したいところです。そのためには税金の支払いを抑制する工夫が大事です。