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業績悪化懸念の中で、日産はなぜ役員を「大量昇格」させたのか?

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社内の求心力を高める一方で、株主の反応は

が、ただ「値引きを止めます」では販売減少は免れない。西川社長は「正価で売り切る段階にはまだない」と発言しているが、ならばなぜ販売奨励金を絞り込んだのか。明らかに経営判断の誤りだ。さらに日本や欧州でも販売が不振で、役員が昇格する状況にない。では、なぜ日産は業績悪化が避けられない状況下で役員の大量昇格に踏み切ったのか。

ポイントはルノーが日産に再び経営統合を求めた直後のタイミングに当たることだ。続投を目指す西川社長としては、「経営統合反対」で役員をまとめる必要がある。なぜなら経営統合の実現が避けられなくなった時点で、西川社長の求心力は失われるからだ。

「ゴーン・チルドレン」の筆頭だった西川社長がゴーン前会長解任後も日産社内で支持を得ている背景には、「ルノー支配から日産を守ってくれる」との期待がある。日産役員がルノー側に籠絡(ろうらく)されて経営統合派が力を持たないよう、昇格で忠誠心を高めたと考えるのが妥当だろう。

しかし、この「お手盛り」ともみえる大量昇格に、一般の株主はどう思うだろうか?ゴーン前会長の責任が重いのはともかくとして、彼1人に責任を押し付けて業績が急降下したにもかかわらず現職役員が大量昇格となると、「結果責任を取るべき役員がなぜ昇格するのか」と反発を受けるのは避けられないだろう。

ルノーが目指す経営統合を回避するには、同社を除く大半の株主から支持を受けるしかない。そうした一般株主の感情を逆なでするような今回の役員大量昇格は、株主総会で日産の現経営陣が支持を失い、結局はルノーを利することになりかねないのだ。

業績悪化の中での役員大量昇格は株主の反発を買う可能性も(同社ホームページより)

文:M&A online編集部

M&A Online編集部

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