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【2021年外食業界のM&A】スシローが京樽買収でテイクアウト強化へ
新型コロナウイルス感染拡大の長期化に苦しんだ2021年の外食企業。集客に苦戦する外食企業各社は焼肉や寿司へと業態の幅を広げ、テイクアウトやデリバリーなど多角的な事業展開をするようになりました。その手法としてM&Aを積極活用する例が目立ちます。
WDIは大幅な事業の見直しを迫られます。2021年3月の取締役会にて味都特亞洲餐飲管理の解散を決議。これによって総額7,200万円の特別損失を計上しました。事実上、中国からの撤退となります。また、国内のウェディング事業を手掛けるWDI JAPAN(港区)への貸付金17億円の債権放棄も決定しました。
WDIは2021年8月に市ヶ谷のマンション「パークアクシス市谷加賀町」を21億2,000万円、同じ年の10月に千駄木の「SENDAGI RESIDENCE」を13億7,000万円で取得することを決定しました。家賃収入の収益基盤の安定化が目的です。
新型コロナウイルスの影響を受けたとはいえ、WDIは大規模な増資を行うことなく2021年9月末時点で自己資本比率が23.2%あり、財務は比較的安定しています。収益の安定化に向けた不動産の取得は、先が見通せない飲食業界において妙手と言えます。
肝心の売上高も2021年12月に入って回復傾向にあります。2021年12月の国内レストランの売上高は2019年比で94.5%の水準まで戻しています。同時期のすかいらーくは90%を下回りました。
■月次売上(2019年比)
6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 | |
WDI | 58.5% | 65.5% | 52.5% | 56.7% | 82.8% | 88.3% | 94.5% |
すかいらーく | 64.7% | 74.6% | 61.5% | 62.5% | 82.5% | 81.0% | 89.8% |
※月次報告書より筆者作成
WDIは新規出店や新業態領域にアクセルを踏み込むとしており、承継した「ちんや」が正にその中心にいることになります。海外のブランドに強みを持っていたWDIが日本の超老舗ブランドをどのように育てるのか。注目が集まります。
麦とホップ@ビールを飲む理由
新型コロナウイルス感染拡大の長期化に苦しんだ2021年の外食企業。集客に苦戦する外食企業各社は焼肉や寿司へと業態の幅を広げ、テイクアウトやデリバリーなど多角的な事業展開をするようになりました。その手法としてM&Aを積極活用する例が目立ちます。