サイゼリヤは2期連続の営業赤字から脱出することができるか?

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サイゼリヤ新川崎スクエア店

サイゼリヤ<7581>の2021年8月期の売上高が前期比0.3%減の1,265億1,300万円となり、22億6,400万円の営業損失となりました。2020年8月期は38億1,500万円の営業損失で、2期連続の営業赤字です。2022年8月期の売上高を前期比18.6%増の1,500億円、70億円の営業利益を予想しており、黒字に転換する計画。サイゼリヤはコロナ収束後も深夜営業を取りやめる方針を打ち出しました。売上高の回復と経費削減の微妙なかじ取りが要求され、黒字化は険しい道のりとなりそうです。この記事では以下の情報が得られます。

・サイゼリヤの業績推移
・1店舗当たりの収益構造

1店舗当たりの売上高をどれだけ上げられるかが勝負

サイゼリヤは2021年8月期に48億2,200万円の補助金、3億2,700万円の雇用調整助成金を得ています。それにより、34億5,500万円の経常利益(前年同期は20億9,100万円の経常損失)を計上しました。純利益は17億6,500万円(前年同期は34億5,000万円の純損失)です。コロナ禍は補助金に救われたと言えます。

2022年8月期の売上高1,500億円はコロナ前と同水準です。しかし、営業利益率は5~6%台から4.7%まで悪化する予想です。

■サイゼリヤ業績推移(単位:百万円)

2017年8月期 2018年8月期 2019年8月期 2020年8月期 2021年8月期 2022年8月期
予想
売上高 148,306 154,063 156,527 126,842 126,513 150,000
前期比 102.3% 103.9% 101.6% 81.0% 99.7% 118.6%
営業利益 11,216 8,640 9,599 -3,815 -2,264 7,000
前期比 124.50% 77.0% 111.1% - - -
営業利益率 7.6% 5.6% 6.1% - - 4.7%
サイゼリヤ業績推移グラフ
決算短信より筆者作成 営業利益は右軸

サイゼリヤが営業黒字を実現する要因は、売上高と販管費の2つに集約されるものと考えられます。原価率はコロナ前後でほとんど変化はないためです。ここでは収益構造をわかりやすくするため、売上高と販管費を1店舗当たりで見ていきます。

売上高から見てみます。

サイゼリヤの1店舗当たりの売上高は、2018年8月期が1億500万円、2019年8月期が1億400万円でコロナ前はほとんど差はありません。しかし、2021年8月期は8,100万円まで落ち込みました。時短営業を要請されたことや緊急事態宣言の外出制限により、1店舗当たりの売上高は21.8%減少したのです。

2022年8月期(2022年8月末時点)は57店舗増加して1,610店舗にする計画を立てています。そうすると、1店舗あたりの売上高は9,300万円。2021年8月期と比較して14.3%増加させる必要があります。

次に販管費を見てみます。なお、サイゼリヤの2022年8月期の販管費は、2018年8月期、2019年8月期、2021年8月期の原価率平均値36.3%と、営業利益予想をもとに試算しています。

サイゼリヤの1店舗当たりの販管費は2018年8月期が6,100万円、2019年8月期が6,000万円でした。こちらもコロナ前の数字に大きな変化はありません。しかし、2021年8月期は5,300万円となり、12.0%減少しています。2022年8月期の1店舗当たりの販管費は5,500万円とほぼ同水準となる見込みです。サイゼリヤは深夜営業を取りやめることを早々と宣言しました。店長の人件費や水道光熱費を削減し、1店舗当たりの販管費を低減する目途はすでについているものと考えられます。そうなると、営業時間を短くする中で1店舗当たりの売上高をどれだけ上げられるか。それが最大のポイントとなります。

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