売上高が回復しない安楽亭、起死回生のアークミール買収が裏目に

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安楽亭川崎高津店

安楽亭<7562>の業績が冴えません。2022年3月期第1四半期の売上高は前期比0.2%減の52億5,700万円、8億4,800万円の営業損失(前年同期は10億8,400万円の営業損失)を計上しました。9,800万円の純利益(前年同期は11億5,200万円の純損失)を出していますが、10億5,800万円の助成金収入によって何とか黒字化しています。

安楽亭事業単体で見ると、2022年3月期第1四半期の売上高は前期比0.3%減の20億4,700万円。あみやき亭<2753>の焼肉事業の2022年3月期第1四半期の売上高は、前期比22.4%増の37億2,000万円でした。

安楽亭は2020年2月に吉野家ホールディングス<9861>から「ステーキのどん」や「フォルクス」を運営するアークミール(東京都中央区)の全株式を譲受していました。アークミールの売上高も前期比0.4%減と回復しておらず、赤字幅を広げる要因となっています。再起をかけた買収も仇となってしまいました。

この記事では以下の情報が得られます。

・安楽亭とあみやき亭の比較
・アークミールを買収した背景

営業利益率1.4%の低利益体質が恒常化していた安楽亭

安楽亭は新型コロナウイルス感染拡大前から業績の低迷に苦しんでいた企業です。2017年3月期から2020年3月期までの営業利益率の平均は1.4%。利益が出るギリギリの経営を続けていました。「あみやき亭」や「スエヒロ館」などの焼肉チェーンを展開するあみやき亭の営業利益率は8.4%。安楽亭とは圧倒的な差がついています。

決算短信より筆者作成

安楽亭の売上高は2020年3月期まで頭打ちの状態が続いていました。2017年3月末の安楽亭の店舗数は190。2020年3月末には180まで減少していました。不採算店を退店して利益が出る状態を保っていたのです。

売上高が横ばいで推移し、薄く利益を出している状況は、「かっぱ寿司」を運営するカッパ・クリエイト<7421>と酷似しています。カッパ・クリエイトの2020年3月期の営業利益率は1.4%。競合くら寿司の2019年10月期の営業利益率は4.0%でした。カッパ・クリエイトも不採算店の退店を進め、販管費率を下げてわずかでも利益が出る状態を保っていました。

安楽亭とかっぱ寿司はかつてナショナルチェーンとして親しまれ、業界屈指の知名度を誇っていた点もよく似ています。そしてどちらも安さを武器に他社との差別化を図ってきました。

決算短信より筆者作成
決算短信より筆者作成

安楽亭は90年代後半に誕生した牛角に抜かれました。そして今、物語コーポレーション<3097>の主力業態である焼肉きんぐが市場を席捲しています。焼肉きんぐはロードサイド型の店舗を多数出店し、価格軸での競争を仕掛けました。安楽亭の得意領域が奪われているのです。

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