中小企業庁では、「第三者承継支援総合パッケージ」という第三者承継支援を10年間の集中支援策として取り組んでいる。今後も増えていくであろう後継者不在による中小企業の廃業に歯止めをかけ、まずは2025年度までに黒字廃業の可能性があるとされている約60万事業者への第三者承継を促すことを目標としている(赤字企業が対象外という意味ではないので誤解のないように)。

事業引継ぎ支援センターの「本気度」にかかっている

具体的な施策としては、「民間プラットフォーマーとの連携による事業承継機運の醸成」、「個人保証脱却・政策パッケージ」、「事業承継補助金」、「中小企業の再編・統合等にかかる税負担の軽減措置」等々、ラインナップにも充実が図られている。

私見としては、最終的にはこうした国の事業の現場の最前線たる「事業引継ぎ支援センターと事業承継ネットワーク」、ここに属している人達の「本気度」にパフォーマンス(成果)はかかっているのではないかと思う。

ある程度のサイズ以上のディールは銀行や証券会社が欲しいと思うだろうし、彼らはフィービジネスとしてM&Aに取り組んでいるのだから、そこに「経済合理性」が働くのは当たり前のこと。

これに対し、手数料を払って譲受先を探すことに抵抗のある、またはデイールサイズからして手数料を払うことに経済合理性を見いだせない企業については、国のサポートを活用して第三者承継を行う、というスタンスである。
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各都道府県の事業引継ぎ支援センター(https://shoukei.smrj.go.jp/)と事業承継ネットワーク事務局が一体となり、今まで通り商工会、商工会議所、中央会の協力を得て地元の金融機関(信用保証協会を含む)と仲良くし、地元の産業をみんなで守る、または盛り上げていく、といった気概が今一番求められているのだと思う。

後継者人材バンクの活用を

最後に本年度より全国の「事業引継ぎ支援センター」で強化していく支援策についても触れておくので、興味のある方や該当しそうな方はお近くの「事業引継ぎ支援センター」へ問い合わせてみて下さい。

1.後継者人材バンク
後継者人材バンクは、後継者不在の中小企業(主として個人事業主)と創業希望者(事業を営んでいない個人)とのマッチングを行う支援である。譲り渡し側にとっては事業の存続が見込まれ、譲り受け側にとっては事業や資産をそのまま受け継ぐことにより、創業に伴うリスクを抑えることができる。

2.経営資源の引き継ぎ
廃業を希望している者の事業、または主たる事業用資産等の経営資源の引継ぎについての相談も対応可能となる。具体的には、廃業を希望している者に対してマッチングの相手探しや事業の一部譲渡を含む経営資源の引継ぎについての支援を行う。

文:Antribe社長・小林伸行(M&Aアドバイザー