溶接加工のセイワ工業(三重県木曽岬町)がこのほど、産業機械や工作機械向け部品の機械加工を手がけるカスカ(愛知県豊橋市)の全株式を取得し子会社化した。

カスカの後継者が不在だったため事業承継による町工場の支援策として実施したもので、支援を目的とした事業承継は、2019年6月に経営権を取得した亜鉛メッキ加工を手がける東栄コーティング(岐阜市)に次ぐ2例目。

セイワ工業は今後も優れた技術を持ちながら後継者不足などに悩む町工場の事業承継に取り組む方針で、この活動を通じて地域の雇用の維持を支援する。

町工場連合による株式上場も

カスカは1963年の設立で、主に産業機械や工作機械の部品加工を行っており、縦型、横型の2種類のマシニングセンターなどを保有している。経営は安定していたものの前代表が67歳と高齢なうえ後継者が不在だった。

一方、セイワ工業は1995年の設立で、大型構造物の溶接加工を手がけており、カスカを子会社化することで事業面での相乗効果が見込めると判断した。

中小企業庁によると後継者不在などの理由で、2025年に127万社の中小企業が廃業危機を迎えるという。

こうした状況を踏まえ、セイワ工業の野見山勇大代表取締役は、再建ノウハウをまとめた書籍の出版や、自身が経営するコンサルティング会社を通じた町工場の支援を行っている。

セイワ工業では事業承継を通じ500社を超える町工場のネットワークを構築し、人材の共有化やIT投資、受発注のネットワーク化などを推進し、町工場連合による株式上場も目指すとしている。

文:M&A Online編集部