カジュアルアパレルのウィゴー(WEGO)投資ファンド傘下で再スタート

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原宿竹下通りに3店舗出店しているWEGO

投資ファンドJ-STAR傘下へ

 WG社など、事業を承継する側の3社は投資ファンドのJ-STAR(株)(TSR企業コード:296639117、千代田区、原緑郎社長)から出資を受け、今後はJ-STARを背景とした新体制に移行する。
 J-STARは2006年に設立。投資ファンドを通じて事業承継や再生、MBO、成長支援などのプライベートエクイティ事業を手掛け、これまでに約30社の投資実績がある。メーカーや卸、小売と対象とする業種は幅広く、過去にはアパレル企業の事業再生を手がけた実績もある。
 新ウィゴーの経営陣には、代表取締役として園田恭輔氏(現ウィゴー取締役WEGO事業部事業部長)が就任。園田氏を含めて現ウィゴー取締役3名が役員に就任し、J-STARからも原田健一氏(現J-STAR取締役パートナー)ら3人が役員に就任する。
 なお、ウィゴーの創業者でグループの顔でもあった中澤征史氏(現ウィゴー取締役会長)はファウンダー特別顧問の肩書きで、今後も事業の拡大と成長に尽力していくとしている。

「WEGO」原宿竹下通り店(2017年12月撮影)東京商工リサーチ

昨年には2度の株主変更

 ウィゴーを巡っては2017年8月、創業社長の中澤氏ら役員が退任し、(株)オーチャードコーポレーション(TSR企業コード:300089520、東京都中央区、伊藤忠寛社長、以下オーチャード)が主要株主となった。
 業容拡大で借入金も膨らみ、中澤氏個人が負う連帯保証債務などが負担となったほか、オーナー企業から脱却し、安定成長するためには外部からの経営者招聘が最善と判断した。
 ところが、オーチャードとウィゴーとの間で事業の方向性に齟齬が生じたうえ、金融機関などのステークホルダーがオーチャード体制と中澤氏が経営から外れることに難色を示した。このため2017年11月、オーチャードは所有していた株式を(株)アラタマコーポレーション(TSR企業コード:402456343、名古屋市瑞穂区、安井信之社長ほか代表1名、以下アラタマ)に売却。わずか3ヶ月で大株主が異動した。
 アラタマはミシン大手のブラザー工業(株)(TSR企業コード:400008408、名古屋市)の創業家一族の資産管理会社(ブラザー工業との資本関係はない)で、アラタマが組成する投資事業組合がウィゴー株式の大半を握る筆頭株主となった。
 中澤氏も取締役会長に復帰し、アラタマが招聘した米国公認会計士の資格を持つ高橋社長と中澤会長との双頭体制でリスタートしていた。
 アラタマ主導の経営体制に代わって8ヶ月、新体制での経営が軌道に乗ったかに見えた矢先の今回の動きで、取引先は驚きを隠せない。

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