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「旧豊田佐助邸」 王国トヨタの私的な遺産|産業遺産のM&A

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写真右手の洋館と手前の日本建築(和館)、概ね2期の建築に分かれる旧豊田佐助邸(名古屋市)

名乗りを挙げた名古屋市

アイシン精機は1990年代の半ば、この佐助邸の取り壊しを決めた。1994年頃には居住者がいない状況となり、建物そのものがかなり老朽化していた。このまま使い続けることは火事などの防災対策上もむずかしいと判断したためである。

確かに佐助邸の裏手に回ると、奥にはがらんとした空き地があり、一番奥に土蔵が残るのみ。その空き地には、洋館の勝手部分や別の小さな洋館が建っていたという。だが、当時は、火災なども考えると撤去せざるを得ない状況だった。アイシン精機では1995年に実際に奥の洋館などを取り壊した...

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