「サイゼリヤ」コロナ禍で店舗数の減少が続くレストランチェーンで一人気を吐く

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すかいらーくホールディグスや、ロイヤルホールディングス、ゼンショーホールディングスなどの大手レストランチェーン店11社の中で、イタリアンレストランを展開するサイゼリヤ<7581>だけがコロナ禍の中にもかかわらず店舗数が増えていることが分かった。

東京商工リサーチが11社の有価証券報告書や四半期報告書などを基に、直近決算期(2020年12月期〜2021年2月期)と前年同期の店舗数を比較したところ、直近決算期の11社合計の店舗数は8437店舗で、コロナ禍にあったこの1年間で678店舗減少していた。

そんな中、サイゼリヤの国内店舗数は増加しており、今後の計画も海外店を含む店舗数は増加傾向をたどる見通しで、業績の方も改善の兆しを見せている。

2021年4月25日に東京、大阪、京都、兵庫の4都府県に3度目の緊急事態宣言が発出されており、東京商工リサーチでは「レストランの閉店が加速する可能性が出てきた」とする中、このままサイゼリヤの一人勝ちは続くのだろうか。

7店舗の純増に

サイゼリヤが2021年4月14日に発表した2021年8月期第2四半期決算によると、2020年2月末に1088店だった国内店舗数が2021年2月末には1095店と7店舗増加した。

この間に2度の緊急事態宣言が発出され、多くの外食チェーン店が不採算店の閉店などに追い込まれた。同社もこの間に27店を閉店したが、これを上回る34店を出店したことから7店の純増となった。

2021年3~8月は6店の出店に対し12店の閉店を予定しているため国内店舗数は減少に転じるものの、オーストラリアや中国、香港などの海外での同期間の店舗数が20店増加(閉店11店、出店31店)するため、国内外合わせたトータルの店舗数は増加傾向を維持できる見込み。

業績の方も上向いており、2021年4月14日に2021年8月期の業績見通しを上方修正し、営業損益は7億円の赤字(当初予想は10億円の赤字)が継続するものの、経常損益は10億円の赤字から30億円の黒字に、当期損益も36億円の赤字から10億円の黒字に転換する。

自治体からの協力金33億円を計上するほか、店舗の固定資産の減損損失が想定よりも減少すること、さらに生産性の向上や経費削減などの効果が加わることから当初の予想を上回る。

【サイゼリヤの店舗数推移】2021年8月期は見込み

2020年8月期第2四半期
(2020年2月末時点)
2021年8月期第2四半期
(2021年2月末時点)
2021年8月期
(2021年8月末時点)
国内 1088 1095 1089
海外 420 453 473
合計 1508 1548 1562

20%以上減少の企業も

東京商工リサーチが調査対象としたのはサイゼリヤのほかに、ゼンショーホールディングスのレストラン事業、すかいらーくホールディグスのレストラン事業、ロイヤルホールディングスの外食事業、セブン&アイ・ホールディングスの子会社のセブン&アイ・フードシステムズ、ジョイフル、グルメ杵屋、木曽路の飲食事業、アトム、WDIの直営店、梅の花の外食事業。

この中で、年間の減少率が最も高かったのは「ステーキ宮」などを運営するアトムの21.7%減(468店→366店)で、次いで九州を拠点にファミリーレストランを運営するジョイフルの21.3%減(882店→694店)だった。

今回の緊急事態宣言は2021年5月11日までの予定だが、感染者数の推移によっては宣言が延長される可能性もある。レストラン経営はまだまだ厳しい環境が続きそうだ。

文:M&A Online編集部

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