中国企業の経営者を紹介するシリーズ。今回は、インターネットサービスの世界的大手であるテンセント・グループの創業者で、CEO(最高経営責任者)のポニー・マー(馬化騰)を取り上げる。

テンセント・グループは、コミュニケーション・ツールであるQQ(キューキュー)やWeChat(ウィーチャット)を展開している。このほか、ソーシャルネットワーキングやオンラインゲーム、ニュースサービス、ビデオコンテンツといった多様なサービスを提供している。

深圳大を卒業後、「ポケベル」ソフト開発に携わる

ポニー・マーは1971年に広東省海南島で生まれた。海南島は、中国の南部の南シナ海北部にある島で、「中国のハワイ」と呼ばれている。両親は海南島・八港港湾局の職員で、ポニー・マーには4歳年上の姉がいた。1983年に、両親とともに海南から深圳へ引っ越し、1993年に深圳大学コンピューターサイエンス学部を卒業した。

卒業後は深圳の通信関連企業に入社した。その会社では、当時、最先端の技術の一つだった「ポケットベル」のソフトウエア開発エンジニアとして働いた。その後、開発部門のトップにまで上りつめた。 エンジニアとして働いた経験から、ポニー・マーは、ソフトウエアを開発することの意味は、エンジニアの自己満足のためではなく、世の中の役に立つこと、実用性があるということだという学びを早い段階から得たと言われている。

次第に「実用的なソフトウエアにこそ価値がある」と考えるようになる。本人によれば、ソフトウエア市場をみていけば、どの会社に価値があるかは一目瞭然だったという。

ポニー・マーの「伝説」の一つに、株式投資で起業資金をつくった、というものがある。10万元を70万元にしたというのだ。そして、この資金を元手に、1998年、同級生とテンセントを創業した。後に3人を株主に加えることになる。