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日本を明るく元気な国に! 経営者のコーチになった超エリート(中)
一人ひとりのビジネスパーソンの能力を最大限に引き出すプロがいる。ガンガ-総合研究所(東京・六本木)代表取締役の藤井義彦さんだ。日本では数少ないエグゼクティブ・ビジネス・コーチで、現場のリーダーや経営者を対象にコーチングを行っている。
日本ではとかく「根性」とか「気合い」などという精神論が幅を利かしているが、例えば目標を達成できないのは必ず理由がある。
その問題点を科学的な裏付けのあるプログラムで解決に導くのがコーチング。「エグゼクティブのコーチングをやるには、その人自身が立派なリーダーでないとダメ、経営者が話を聞こうとしない」からだ。だから社長経験のある人が向いている。ガンガ-総合研究所(東京・六本木)代表取締役の藤井義彦さんは、サラリーマンの経験も社長の経験もあり、資格十分。
「欧米の人はコーチングに対して抵抗がない。会社も期待をするからコーチングを付けるわけだし、本人も誇りをもってコーチングを受けていることを公言する。日本は自分はダメな人間だからコーチングを付けられると非常にネガティブな受け止め方をする」
コーチングは難しくてコンサルタントのような華やかさはないが「これからものすごく伸びる職業です。年を取れば取るほど味の出てくる商売だから、シニアの第二の人生に向いた仕事だ」と藤井さんはいう。
先頃、『あなたの働き方・生き方革命』(日本生産性本部)を出版した。「仕事の質(生産性)を上げ、あなたの付加価値を高めるには」という副題が付いている。
「働き方というのは、労働時間を考えるだけではダメ。一人ひとりが自分の生き方を考え付加価値を上げる努力をしないと、激烈な競争を勝ち残っていけない。終身雇用制もなくなってくるし、国も会社も頼りにならない。頼りになるのは自分だけなんです」
藤井さんは精神世界の探求にも関心を抱き、瞑想を37年続けている。社名の「ガンガ-」とはサンスクリット語でガンジス川のこと。瞑想の指南書も出版している。
今後は、閉塞感漂う日本を明るく元気な国にしていくために、コーチングの活動を通して「人生のプロフェッショナル」を志向する人たち増やしていきたいという。その中から世界経済をリードするような企業のトップを出す。それが藤井さんの夢だ。(おわり)
文:大宮知信
1948年 茨城県生まれ。ジャーナリスト。政治、教育、社会問題など幅広い分野で取材、執筆活動をつづける。主著に『ひとりビジネス』『スキャンダル戦後美術史』(以上、平凡社新書)、『さよなら、東大』(文藝春秋)、『デカセーギ─漂流する日系ブラジル人』『お騒がせ贋作事件簿』(以上、草思社)、『「金の卵」転職流浪記』(ポプラ社)などがある。
一人ひとりのビジネスパーソンの能力を最大限に引き出すプロがいる。ガンガ-総合研究所(東京・六本木)代表取締役の藤井義彦さんだ。日本では数少ないエグゼクティブ・ビジネス・コーチで、現場のリーダーや経営者を対象にコーチングを行っている。