「インクで儲ける」プリンターのビジネスモデルは考え直すべき

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純正インクカートリッジの価格が高いため、互換品が出回っている(写真はイメージ)

プリンターとインクの「適正価格」を実現すべき

だからプリンターメーカーは特許権侵害訴訟で互換カートリッジの販売を差し止めるか、設計変更で利用できないようにするなどの対抗措置を取らざるを得ないのだ。しかし、家庭にプリンターが普及した現在となっては、プリンターの値引き分を純正カートリッジに転嫁する「大義名分」はなくなっている。

家庭用プリンターが普及した今となっては本体を低価格にする意味はなくなっている(写真はイメージ)

プリンターメーカーもプリンターをコストに見合う価格に値上げして、純正カートリッジを値下げする「価格適正化」に乗り出すべきではないか。同様の問題は、エレベーター業界でも起こっている。ビルやマンションなどに採用してもらうためエレベーターを安価で提供し、定期点検などのメンテナンス料金で元を取るビジネスモデルだ。

ところが企業やマンションの管理団体が低料金のメンテナンス業者に乗り換え、エレベーターメーカーの思惑が外れることも。ただ、それだけでは済まなかった。エレベーターメーカーは「飯のタネ」を奪ったメンテナンス業者にエレベーターの技術情報を積極的に開示せず、情報不足による不完全な点検・補修で死者を出すような事故にもつながっている。

プリンターでも粗悪な超低価格互換カートリッジによる品質問題は起こっている。もちろんエレベーターのような人命にかかわるトラブルではないが、それでも業界の健全な発展にはマイナス材料だ。訴訟リスクもくすぶり続ける。純正カートリッジで利益を上げるビジネスモデルは、もはや「時代遅れ」と認識すべき時期に来ているのではないだろうか。

文:M&A Online編集部

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