「アフター五輪」で東京のマンションが値崩れしない三つの理由

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「東京五輪が終わったら、供給過多でマンション暴落が起こる」「コロナ禍でリモートワークが進んで地方移住が本格化し、高価な都心のマンションは売れなくなる」などと懸念されていたにもかかわらず、東京のマンション販売が好調だ。なぜ、首都圏マンションは売れ続けているのか?

マンション価格は前年より24%も値上がり

不動産経済研究所が発表した2021年8月の「新築分譲マンション市場動向」によると、販売戸数は2カ月ぶりの増加となる前年同月比16.2%増の1940戸だった。注目すべきは分譲価格で平均が同24.0%増の7452万円、1平方メートル当たり単価は同26.3%増の117万8000円と大幅に上昇している。

理由は、価格が高い都心の物件が売れているから。にもかかわらず、初月契約率は同4.5ポイント増の73.0%と好調だ。前月比でも4.7ポイント増と、東京五輪終了の影響は見えない。三井不動産<8801>子会社の三井不動産レジデンシャルが分譲した「パークホームズ初台 ザ レジデンス」(東京都渋谷区)は1期1次分譲の57戸が、9241万円もの高額にもかかわらず即日完売した。

理由その1 金利が上がりそうだから

なぜ、懸念された五輪後の「マンション氷河期」が来なかったのか?その理由は三つある。第一に金利上昇の懸念だ。現在の住宅ローン金利は1%を下回る。しかし、欧米ではコロナ後の景気拡大を受けて、近く金利上昇が確実視されており、日本に波及するのも時間の問題だ。

5000万円を1%の固定金利で借り入れ、35年間の元利均等払いした場合の支払総額は5927万9814円、月々のローン支払いは14万1142円となる。これが3%に引き上げられると支払総額は8081万8202円、月々のローンは19万2425円と約1.4倍に跳ね上がる。

つまり低金利のうちに購入しておくことで、2000万円以上安くマンションを購入できるのだ。さらに金利上昇の原因となるインフレが起これば、住宅ローン減税の特例も需要抑制のために廃止されるのは確実。政府が国民に消費を促すデフレ対策があるうちに、マンションを購入しておく方が有利と考えるのも当然だろう。

歴史的に見ても低い住宅ローン金利が、高額不動産の販売を支えている(写真はイメージ)

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