アディダスが「リーボック」売却へ、世界のスポーツ用品ブランドの勢力図は?

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アディダス傘下から離脱へ…「リーボック」の店舗(東京・渋谷)

ドイツのスポーツ用品大手、アディダスの傘下で、その去就が注目されていた米リーボックの売却先が決まった。アディダスは今年2月に業績不振が続くリーボックの売却方針を明らかにしていた。そんな世界的なスポーツ用品ブランドの勢力図はどうなっているのだろう。

ナイキ追撃のはずだったが…

売却先はブランド管理会社の米オーセンティック・ブランズ・グループ(ABG)。アディダスの発表によると、売却金額は21億ユーロ(約2700億円)で、2022年1~3月中に売却を完了する見通し。ABGはファストファッションの米フォーエバー21、米高級百貨店「バーニーズニューヨーク」、米衣料専門店「ブルックス・ブラザーズ」などの有力ブランドを傘下に抱える。

シューズ、ウエアなどスポーツ用品の「世界2強」といえば、米ナイキとドイツのアディダスだ。業界2位のアディダスが約4000億円を投じてリーボックを買収したのは2006年。3位グループに位置する米国発祥のリーボックを取り込み、ナイキを追い上げるのが狙いだった。

だが、目算が外れた。リーボックが業績低迷を脱することができず、足元では新型コロナウイルス感染拡大による外出抑制などでスポーツ用品需要そのものが冷え込んだ。このため、投資家にはリーボックの売却を求める声が上がっていた。もっとも売却金額は買収時を大幅に下回る。

アディダス店舗(東京・二子玉川)

アディダスは今回のリーボック売却に先立ち、リーボック傘下にあったシューズ「ロックポート」、ホッケー用品「CCMホッケー」、スポーツウエア「グレッグノーマン」の3ブランドを2016年に総額500億円で手放した。2017年には「テーラーメイド」などのゴルフ用品ブランドを売却している。

アディダスの売上高は約2兆5600億円(198億ユーロ、2020年12月期)。これに対し、ナイキは約4兆9000億円(445億ドル、2021年5月期)。両社は2010年代初めまでは1兆円台で拮抗していたが、その後、差がどんどん広がり、「世界2強」といえども、今では2倍近い開きがある。

独プーマVS米アンダーアーマー

では3位以下の顔ぶれはどうか。2強のはるか後方の売上高6000億~5000億円台で競うのがドイツのプーマと米アンダーアーマーだ。プーマはアディダス創業者の兄が創設したブランドで、とくにサッカー用で人気を誇る。

アンダーアーマーは1996年創業の新興企業。スポーツ用アンダーウエア(下着)としてスタートしたが、めきめき力を付け、世界的な総合スポーツ用品メーカーに成長し、日本でもファンが急増中だ。アーマー(ARMOUR)は英語で鎧(よろい)を意味する。

この3位グループに割って入りたいのが日本のアシックスだ。同社の2021年12月期の売上高見通しは3950億円。先の「東京五輪2020」で日本選手団の公式ウエアを提供したことは記憶に新しい。米ニューバランスも3位グループの一角を争う。

もう1社、国内勢ではミズノを忘れるわけにいかないが、売上規模はアシックスの約半分にとどまる。

文:M&A Online編集部

M&A Online編集部

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