話し方や態度で相手から受ける印象はがらりと変わる。険悪になったり、いい雰囲気になったり。接客業ともなれば、それがもろに売り上げに響く。人間関係におけるコミュニケーション力はグローバル時代だからというだけでなく、社会人には必要不可欠な能力だ。企業の人材育成、教育、研修に取り組むグロリアタイム(東京・渋谷)代表の水橋史希子さん(54)は、元日本航空(JAL)のCA(客室乗務員)。退職後、中小企業やサービス業を対象に接客術、コミュニケーションの方法を伝授している。

日本航空を退職し起業

日本のおもてなしとは、相手に応じて言葉遣いやサービスを臨機応変に変える接客術である。いつの間にかマニュアル万能の時代になって、相手の立場を無視した対応をするところが増えた。エアラインのCAは、おもてなしのプロ。

JALの元CA、水橋史希子さんは26年間国際線の国内線の客室乗務員として勤務。海外を飛び回り、海外の人と日本人の違いを見てきた。

2010年、JALの経営が破綻した後、〝経営の神様〟稲盛和夫氏が会長に就任。経営の立て直しのためにJALに乗り込んできた。3年で再建を軌道に乗せたことはご承知の通り。それまで客室乗務員として一生懸命仕事はしてきたが、経営の視点はなかった。

「経営というのは、こういうふうに考え方が違うんだなと思った途端に、私の考えも変わった。経営者的な視点をもてるようになった。それまでは事なかれ主義で、会社からお金をもらっていると思っていたんですが、お客様からいただいているという意識が薄かった」

会社が危機的状況となり、改めて自分がどれだけ恵まれた環境にいたかということに気づき「私自身もやる気になって」2011年に退職し、グロリアタイムを設立。企業を対象に社員のコミュニケーション能力を高めるための研修事業をスタートさせた。(次回は4月23日掲載)

文:大宮知信