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いすゞ自動車のブラブラ社員が「風土改革コンサル」に転身(中)​

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「社員に考えさせないようにしている会社が多い」と言う手塚さん

プロフェス代表の手塚利男さんは、いすゞ自動車を退職後、組織風土改革の専門家として知られる柴田昌治氏が設立した「スコラ・コンサルト」でパートナーとして「組織風土改革」のコンサルティングをスタート。2006年に自分の会社「プロフェス」(横浜市)を設立。自動車、電機、機械などのメーカー系の工場現場を中心に組織風土、体質変革の支援を行っている。

「気づいてもらう」コンサル

企業風土を住宅に例えるなら家の土台。見てくれの建物や家具が立派でも、土台がしっかりしてなければ頑丈な家にはならない。「元々土台が悪かったわけではなく、上に乗っている建物が腐ってきて、土台に悪影響を及ぼすこともある」

手塚さんの強みは製造部門の現場と管理部門の両方を経験していること。生産技術部門とトヨタ生産方式をベースにした工場変革の活動実績から、企業風土や体質などのソフトと、仕組みや制度などハード両面からの効果的な支援を得意としている。

「お陰様でいすゞで経験させてもらったことが、いま本当に役に立っています」

強いリーダーが求められる時代と歩調を合わせるかのように、「強く押すというか、ぐいぐい引っ張るようなコンサルを求める」傾向が強くなってきているという。社員一人ひとり主体的に考えるように支援しているのに、すぐに答えを求めるクライアントが多い。「非常にやりにくくなってきました」と嘆く。

経営コンサルタントというと、普通は教える先生と生徒の関係で、研修の講師と受講者の関係。手塚さんは「気づいてもらう」コンサルティングを重視している。「内発的なエネルギーを使って改革する」スタイル。議論をして論破していくのではなく、理解して主体的に行動する。人はその気になったら絶大な力を発揮するのだ。

実際には社員一人ひとりが考えるのではなく、「考えさせないようにしている」会社が多い。どんなに立派な戦略や制度を採り入れても、人材が育ってなかったり受け入れる職場環境がなければ、いくらトップが改革の号令をかけても空振りに終わる。

そんな日本の企業風土に風穴を開けたいと手塚さんは言う。指示待ち人間ではなく、自ら主体的に判断して動く人間を育てていかないと会社はよくならないのだ。(次回は10月17日掲載)

文:大宮知信

大宮 知信 (おおみや・とものぶ)

1948年 茨城県生まれ。ジャーナリスト。政治、教育、社会問題など幅広い分野で取材、執筆活動をつづける。主著に『ひとりビジネス』『スキャンダル戦後美術史』(以上、平凡社新書)、『さよなら、東大』(文藝春秋)、『デカセーギ─漂流する日系ブラジル人』『お騒がせ贋作事件簿』(以上、草思社)、『「金の卵」転職流浪記』(ポプラ社)などがある。 


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