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バスガイドがヒント 元医療システム営業マンがプレゼン術を指南(中)

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ナレッジステーション代表の伊藤誠一郎さん

バスガイド流プレゼンの極意

医療業界の営業マンからプレゼン講師業へ転身したナレッジステーション代表の伊藤誠一郎さんは、それまで営業の現場でプレゼンの経験は山ほどあるが、講師の経験はゼロ。もちろん実績もなければ、ノウハウもない「3ない起業でした」と苦笑。

「僕はどっかで楽観主義的なところがあって、人生のキーワードは三つある。一つは唐突、二つ目は苦労、三つめは何とかなる。やりたいと思ったら唐突に始めちゃう。準備不足で苦労するけど、でも過去を振り返って、一生懸命やって何ともならなかったことはなかった。だから今回も唐突にやっても、がんばってやれば何とかなるなと思ってました」

積極的にセミナーに参加し、先輩講師のノウハウを吸収しながら人脈を広げていった。プレゼンの講師としては後発だから、独自のウリが必要だ。役に立ったのが趣味のバス旅行。バスガイド嬢の一挙手一投足を観察して、講師業の新たな切り口を見出した。

「バスガイドさんは旅のプレゼンター。パンフレットに肉付けをしながら、楽しい時間を演出する。私がプレゼンで大事だと思っていることと彼女たちがやってることを結びつけたら」うまくいくのではないかと考えた。

プレゼンのテクニックを指導する講師は珍しくないが、バスガイドという身近なところから「伝え方」を語る人はいなかった。バスガイド流のプレゼン術を標榜する講師は伊藤さんぐらいだろう。2013年6月、『バスガイド流プレゼン術』を出版してから、潮目が変わった。新聞、雑誌、テレビなどで紹介され、爆発的に仕事が広がった。

「大企業へ行くと、すげービルだな、さぞかし偏差値が高い人が仕事をしてるんだろうな、オレの話で大丈夫なのか」と心配になったが、それは杞憂だった。大企業の社員は組織の一部分を担う歯車。人前でプレゼンテーションをするという経験が乏しい。むしろ伊藤さんのように現場で鍛えてきた人の話を聞きたがっているのだ。(次回は3月27日掲載)

文:大宮知信

大宮 知信 (おおみや・とものぶ)

1948年 茨城県生まれ。ジャーナリスト。政治、教育、社会問題など幅広い分野で取材、執筆活動をつづける。主著に『ひとりビジネス』『スキャンダル戦後美術史』(以上、平凡社新書)、『さよなら、東大』(文藝春秋)、『デカセーギ─漂流する日系ブラジル人』『お騒がせ贋作事件簿』(以上、草思社)、『「金の卵」転職流浪記』(ポプラ社)などがある。 


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「プレゼンのことなら何でもお任せ下さい」という人がいる。ナレッジステーション代表の伊藤誠一郎さん。プレゼンテーションの基礎知識と実践法を指導するプロフェッショナルだ。