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元刑事がウソの見抜き方指南 捜査技術をビジネスに応用(中)

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クリアウッド代表取締役の森透匡さん

中小企業経営者の悩み解決

クリアウッド代表取締役の森透匡さんは千葉県警の元警部。今の肩書きを聞いたら、即座に「経営者の『人の悩み』解決コンサルタントです」という答えが返ってきた。「刑事塾」セミナーで、詐欺、採用面接、営業でだまされないために「ウソの見抜き方」を伝授する。

「刑事塾」の塾長というとお堅い印象を与えるが、ひらたく言えば経営者を支援する人事コンサルタント。刑事20年の経験で培った判断力、観察力でビジネスをサポートする。

「元刑事が講演をやるんだったら、何となく聞いてみたいと思うんじゃないですか。面白いということで、評判が評判を呼んで」あっという間に売れっ子になった。

人手不足が問題になっている。多くの中小企業経営者は、いい人材が採れない、採ったら採ったで問題社員だった、辞めさせたくても辞めさせられない。そういう社員をどうやって教育していけばいいのかという人に関する人事上の悩みを抱えている。「そういう問題は僕の知識と経験で解決できる」と森さんは自信たっぷりに語る。

刑事はどんな人からも情報を引き出さなければならない。コミュニケーションの専門家。森さんは詐欺とか横領など知能犯の担当だった。悪いウソを見抜く技術に長けている。 

経営者も同様、社内の不正をチェックするために、社員から本当のことを引き出す必要がある。人間はやましい気持ちがあると、言葉や表情に必ず反応が出る。

「例えば大宮さんがこっそり新宿で女の子と飲んでたとします。奥さんから昨日、どこで飲んでたのと聞かれたとき、え、どこで飲んでたのかって? と同じ質問を繰り返す。あるいは頻繁に顔を触る。そういうサインが表れたら、ウソをついている可能性が高い」

ウソを見抜く力を必要とする仕事は、経営者に限らず、銀行員や保険の調査員などたくさんある。

「普通の仕事をやっている人だって必要なスキルですよね。そういう意味では元刑事のスキルは社会的なニーズがあるし、実際にお役に立っているのではと思う」

経営幹部をはじめ人事担当者などに対する講演やセミナーが多い。採用した人材が期待したほどではなかった、すぐに辞めてしまったという人事上のミスマッチは、会社側だけでなく働き手にとっても不幸なことだ。そういう人事のトラブルを未然に防ぐということからも、取り調べのスキルを学び、面接のプロを社内で育てるべきだという。(次回は3月13日掲載)

文:大宮知信

大宮 知信 (おおみや・とものぶ)

1948年 茨城県生まれ。ジャーナリスト。政治、教育、社会問題など幅広い分野で取材、執筆活動をつづける。主著に『ひとりビジネス』『スキャンダル戦後美術史』(以上、平凡社新書)、『さよなら、東大』(文藝春秋)、『デカセーギ─漂流する日系ブラジル人』『お騒がせ贋作事件簿』(以上、草思社)、『「金の卵」転職流浪記』(ポプラ社)などがある。 


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2019/03/11

クリアウッド(千葉市)代表取締役の森透匡さんは、詐欺や横領、贈収賄など知能犯の捜査を担当してきた元刑事。7年前に退職し、ビジネスで役に立つウソの見抜き方を全国に広げるための活動を展開している。