4月から働き方改革関連法案が施行された。仕事の仕方、働き方は私たち自身が考えなければならない問題でもある。上からの「改革」ではなく、自分がよしとする働き方を選びたい。フリーエージェントインク(東京・池袋)代表の三宅哲之さん(55)は、身の丈のビジネスをつくる「天職塾」フリーエージェントアカデミーを主宰している。独立を希望する人たちに、自分自身が起業した時の失敗談や苦労話を交え、最良の方法をアドバイスする。個別の働き方相談だけでなく、各地の商工会議所や業界団体、企業などに、個人の能力を引き出し強いチームを作る研修セミナーや講演活動を行っている。

上司のパワハラで独立起業

あらゆる分野で基本的なパラダイムが転換しつつある。個人の生き方においても「ライフシフト」が迫られる時代になった。時代の変化にどう生き方のベクトルを合わせるか。自分らしい生き方はどうあるべきか、お金や会社に支配されない生き方、仕事づくりは重要なテーマ。これからはビジネスパーソン一人ひとりの働き方が問われる。 

会社を辞めて独立したいが、いきなり起業するのはリスクがあって怖い。だれもが思うことだ。三宅さんも、会社を辞めて独立した当初は苦労の連続だった。 

大手重電メーカーに営業マンとして23年勤務。街の電気屋さんの売上げ拡大に力を発揮し、同期NO1幹部候補性として将来を嘱望されたエリートサラリーマンだった。公式の場でCEO(最高経営責任者)に直言をしたことで、事態は急転回。あちこちの部署をたらい回しにされ、支社に飛ばされた。そこでも1年にわたって支社長からいじめ、パワハラの仕打ちに遭った。

「毎日毎日人格否定の繰り返し、さすがに精魂尽き果て、もう自暴自棄というか、自殺寸前のところまでいきました」

45の時に退職し、ITベンチャー企業に創立メンバーとして参加したが、3カ月で倒産、失業。まさにジェットコースターのようなサラリーマン人生だ。 

起業のきっかけは、一人のカウンセラーとの出会い。「ネットでそのカウンセラーのことを知り、深く考えることもなく面談を申込みました。彼はひたすら私の話に耳を傾けてくれました。話し終えると一筋の光が見えていました。衝撃体験でした」 

目の前の人の心の声に耳を傾けることの重要性に気づき、46歳の時に会社員専門の起業コンサルタントとして独立し、起業支援の会社「フリーエージェントインク」を設立。紆余曲折のサラリーマン経験をベースにしたコーチ&コンサルティングが好評だ。(次回は4月9日掲載)

文:大宮知信