アパート経営はサービス業

不動産コンサルタントの雨宮憲之さんは、賃貸アパートを経営する傍ら、アパートやマンションオーナーの様々な困り事に対してアドバイスをしている。「賃貸業は入居者に快適な居住空間を提供するサービス業」が持論。

「古い物件でも手入れをよくして、潤いのある住環境を整えれば、新しく入ってこられるし、入居者も長く住んでくれる。企業努力によって利益を上げられるということです」

賃貸住宅の家主は、全体のグランドデザインを自分で描けるところが面白く「入居者とのコミュニケーションも楽しい」と語る。いまだに「貸してやる」という感覚が抜けきらない古い体質の業界だが、近代的なビジネスとして捉えれば面白い仕事だという。

「自分で物件にいろいろアイデアを反映させて、事業として大きくできるのがすごく魅力的です。いい住環境を作っていくために、コンサルティング活動も意義のあることだなと。ジャーナリストと同じで、社会を変えていける部分はあるなと思っています」

個別のコンサルタントは減らしている。母親の介護を抱え、1人の相談者に長い時間を取れなくなったため、最近は新聞社や住宅会社が主催するセミナーに比重を移している。

「セミナーだと一日で終わりますが、マンツーマンのコンサルティングですと、1カ月とか3カ月という時間が必要になってきますので、スケジュールが組みにくいんです。空室で困っている方が多いし、一度に多くの方に伝えられるという点ではセミナーの方がいい」

賃貸業の現状やプライベートなことも含めて、熱心に話してくれた。元ジャーナリストだけに、単なる不労所得を当て込む資産家ではなく、自分の考えをきちんと伝えたいというインテリジェンスがあるのだろう。こういう大家さんが増えれば貸す方も借りる方もハッピーになり、アパートやマンションなどの住環境が飛躍的によくなることは間違いない。

文:大宮知信