農業コンサルタントの大澤信一さんは、日本総合研究所(日本総研)の元研究員。主に第一次産業(農林水産業)に関する調査研究に従事した。2011年9月、農業活性化研究所を設立し、得意分野の農業コンサルタント活動を始めた。会社勤めから個人事業主として、与えられた仕事をこなす生活から、自分の考えで仕事を創る生活に変わった。

得意分野の農業に特化

「勤めている時から論文や本を書いてましたが、一生懸命やっていると、もっと突っ込みたいというテーマが出てくる。でも会社にいると、それはマーケットが小さいからできない。会社としてはもっと大きな汎用品で勝負してもらわないと困るわけです」と大澤さん。

クライアントは個々の農家ではなく、一般の企業や行政が多い。経営コンサルタントや人事コンサルタントなどと同様、新規事業の開発、販路拡大、市場調査など一般のコンサルティング活動を行っているが、大澤さんは農業関連ビジネスの支援に特化している。

これから地方の活性化は「六次産業化の推進が最大のポイントになる」と大澤さんは言う。農業や水産業などの第一次産業が、食品加工や流通販売にも業務展開することを6次産業と呼ぶ。それまで第二次、第三次産業の事業者が得ていた利益を農業者自身が得ることによって農業を活性化させようと、農林水産省も農業の六次産業化を推進している。

「これから本格的に六次産業化が進み、地方の農業が動き出す」と大澤さんは見ている。

独立後、農業に関する本はもとより、50代からの独立・転職を薦める本も書いた。2009年には著書『農業は繁盛直売所で儲けなさい』を出版。直売所の魅力や可能性を説き、好評を博した。フリーのコンサルタントになって自由度が飛躍的に高まったという。

組織にいれば自由に出来ないのは当たり前。そのかわり安定収入というメリットがある。開発費も使える。独立したら自分でやるしかない。

大澤さんは、収入が大幅に増えたわけではないが、前の会社にいる時より今の生活の方が良好のようだ。(次回は11月21日掲載)

文:大宮知信