中国企業の経営者を紹介するシリーズ。今回は、アリババ・グループ会長のジャック・マー(馬雲)を紹介する。2018年9月10日、ジャック・マーは1年後にアリババ・グループの会長職を辞すると発表し、世間を驚かせた。

9月10日は、中国では「教師の日」。ジャック・マーは元英語教師である。また、9月10日はジャック・マー自身の誕生日であり、アリババを設立した日でもあった。

ジャック・マーとは

ジャック・マーは1964年9月10日、浙江省杭州市に生まれた。1988年に、杭州師範学院の外国語学科を卒業すると、杭州電子工業学院の英語教師及び国際貿易の教師を務めた。

その後、1995年に、中国初のインターネット・ビジネス情報サイト「中国イエロー・ページ」を立ち上げる。1998年、電子商取引中心国富通信息技術発展有限公司の総経理に就任すると、1999年にはアリババを設立し、アリババ・グループのCEO及び取締役会長になった。

ジャック・マーの学生時代は、成績優秀なわけではなく、特に数学が苦手だったといわれている。12歳のとき、ポケットラジオを買い、このラジオで英語の放送を聞き始めたことにより、英語に興味を持つようになった。当時は英語学習のための教材などもなく、英語を学ぶ場所もなかったため、ホテルに来ている外国人観光客に無料の旅行ガイドをして英会話を学んだ、という話は有名である。

大学入試に3度挑む

高校入試では、2年目にやっと、ごく普通のレベルの高校に入学することが許された。その後、1892年、1回目の大学入試を受ける。数学は1点しか取れず、不合格となる。日本以上に中国は競争社会である。大学に入れるかどうかは、その後の人生を大きく左右するため、大学入試は、人生の一大イベントである。そのため、中国の高校生は異常なくらいに勉強漬けの生活を送る。

翌年、2回目の大学入試も不合格となる。数学の点数は、19点だった。この時点で、家族は大学を諦めるように薦めたが、ジャック・マーはそれを受け入れられず、さらに翌年、3回目の大学入試に挑戦する。今回、数学は89点まで上がったが、合格ラインまであと5点届かなかった。しかし、この年、英語専攻の学生が定員に達していなかったため、英語の成績優秀者が優先的に繰り上げ合格となった。そのおかげで、ジャック・マーは、杭州師範学院の外国語学科に入学することになった。

翻訳界で評判を得る

大学卒業後、1988年、ジャック・マーは杭州電子工業学院で、英語と国際貿易の講師になった。その後、杭州市で優秀な若手の英語講師になったジャック・マーは、杭州市の有名な観光地である西湖のほとりで「イングリッシュ・コーナー」を始めると、杭州市の翻訳界で評判を得るようになる。

1992年になると、多くの人がジャック・マーに翻訳をしてもらいに来るようになったため、ジャック・マーは英語教師の仕事を辞め、海博翻訳社を設立し、翻訳を本業にするようになった。