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着物レンタルがインバウンドに大受け「定年起業」の成果(下)

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フランチャイズチェーン化を摸索する浅草愛和服社長の畑和男さん

将来はFC展開も視野に

昨年9月、京都に伏見稲荷店をオープンさせたのに続いて、今年6月3日には宇治平等院店を出店。京都府宇治市への出店は地元の観光協会からも歓迎された。

「宇治市は京都に比べて観光客が少ない。インバウンドを呼び込もうと今、地元の観光協会も一生懸命いろんな対策を講じている。私どもの着物レンタルが、そういう地域活性化に少しでもお役に立てるならということでやってるわけです」と説明するのは浅草愛和服社長の畑和男さん。

開業以来休みを取らずに働いてきた。2020年の東京五輪を控え、外国人観光客はこれからも増加が見込まれる。「今は台湾の人が中心ですが、まだ着物文化を体験していない国の人がたくさんいる。まだまだ大丈夫だと思います」

独立の効用は「若い子のエネルギーをもらえること」だという。客の大半は20代の若い女性。「着物を着て外へ行った女の子がすごく満足した表情で帰ってきます。着物で町を歩くと、よく写真を撮られ、何かモデルになったような気持ちになるそうです」

会社は定年になったが、今でも着物レンタルの事業を展開する傍ら、コンサルタントとして研修会の講師や店長教育などの仕事をしている。67歳で独立し、今年、古稀の年齢になったが、すこぶる意気軒昂だ。

「やる気さえあれば、歳は関係ありません。わー、良かったと女の子の喜ぶ姿を見ると、やってよかったなと思います。若い子のエネルギーをもらって、こちらも元気になります」

今後も出店は続ける。第二の人生を支える仕事として、リタイアサラリーマンに着物レンタルを勧めたいという。京都の出店が成功し、着物レンタルのノウハウをまとめて、今後はフランチャイズチェーン(FC)化も視野に入れて、事業を拡大する考えだ。

「実際FCを展開しているところもあるんですけど、初期投資が何千万円もかかる。うちは少ない資金で成功するノウハウを教えますよというのを打ち出していきたい」

若い女性相手の商売が第二の人生を支える生き甲斐になる。最高ではないか。(おわり)

文:大宮知信

大宮 知信 (おおみや・とものぶ)

1948年 茨城県生まれ。ジャーナリスト。政治、教育、社会問題など幅広い分野で取材、執筆活動をつづける。主著に『ひとりビジネス』『スキャンダル戦後美術史』(以上、平凡社新書)、『さよなら、東大』(文藝春秋)、『デカセーギ─漂流する日系ブラジル人』『お騒がせ贋作事件簿』(以上、草思社)、『「金の卵」転職流浪記』(ポプラ社)などがある。 


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2018/09/04

浅草愛和服​社長の畑和男さんは、台湾の女性に的を絞り成功。浅草で3店舗を運営し、受付をはじめ外国人スタッフが8人もいる。着物レンタル業界では全国でもトップクラスだ。